ヨーロッパへ行くのとアメリカへ行くのでは絶対的にアメリカの方が時差ボケが辛いです。ドイツ、フランスは日本との時差が-8時間、アメリカ西海岸では17時間ですが日付変更線を考えなければ+7時間です。時間だけをみればあまり変わりませんが、アメリカの方が100倍 時差を感じます。また一般的にも西方向(ヨーロッパ)に進むよりも東方向(アメリカ)に向かった方が時差がツライとあります。
アメリカの方が時差がつらい理由は明らかです。下表に日本、ロサンゼルス、パリの時刻を日本時間をベースにまとめていますが、日本の0時はロサンゼルスでは朝7時です。普段の寝る時間から1日が始まります。一方、パリの場合は日本時間の23時は15時です。もう少し睡魔と戦って21時に就寝すれば、日本の明け方、6時には寝れるということになります。貫徹で仕事を終えてから寝るのと同じ状態です。
日本時間 |
00
|
01
|
02
|
03
|
04
|
05
|
06
|
07
|
08
|
09
|
10
|
11
|
12
|
13
|
14
|
15
|
16
|
17
|
18
|
19
|
20
|
21
|
22
|
23
|
アメリカ(LA) |
07
|
08
|
09
|
10
|
11
|
12
|
13
|
14
|
15
|
16
|
17
|
18
|
19
|
20
|
21
|
22
|
23
|
00
|
01
|
02
|
03
|
04
|
05
|
06
|
フランス(パリ) |
16
|
17
|
18
|
19
|
20
|
21
|
22
|
23
|
00
|
01
|
02
|
03
|
04
|
05
|
06
|
07
|
08
|
09
|
10
|
11
|
12
|
13
|
14
|
15
|
時差が辛いと、仕事には差し支えるし、観光も楽しむことができません。では、どうやってアメリカでの時差ボケを乗り切ればいいのでしょうか。
時差ボケを解消するための3つの方法について説明していきます。
1.到着時刻で機内の行動を変える
下図はGoogleで東京-ロサンゼルスの直行便を検索した結果です。
各航空会社も羽田からは深夜便で夕方着、成田からは夕方出発で午前中着となっています(2016年1月現在)。
夕方にアメリカに到着する場合
深夜便で夕方にアメリカに到着する場合は極力寝ないようにします。アメリカ到着が夕方であれば、その後に予定がある人も少ないかと思います。ホテルにチェックインして夕飯を食べるだけであれば、機内での睡眠をできるだけ我慢します。
日本の出発が深夜だと眠たくなる時間帯なので、できれば事前に昼寝(短時間でOK)をしておきましょう。離陸後は直ぐに2-3時間の仮眠をして、あとは映画をみて凌ぎます。そうすれば自ずとアメリカ到着後のホテルでぐっすり眠ることができます。
午前中にアメリカに到着する場合
夕方便で午前中にアメリカに到着する場合は、到着してからの1日がまだ長いです。機内食はガッツリ食べずに軽く済ませましょう。またお酒は睡眠を妨げるので済ませたら、あとはひたすら眠りましょう。見たい映画があるのであれば座席についたら直ぐに観始めます。
機内で早い時間から寝るために前日の睡眠時間を少なめにしておくと自ずと眠くなります。到着したら日光を浴びてアメリカの時間に身体を慣らします。
また下記のグッズを利用して少しでも睡眠の質を高めましょう。
- 機内での快眠グッズ
- ネックピロー
- アイマスク
- スリッパ
- ノイズキャンセリング付きイヤホン
ネックピロー
エコノミークラスで寝るにはネックピローは必需品です。飛行機でなくても車や電車の移動で首がうなだれた状態や傾いた状態での仮眠の後に首の痛さや肩こりに悩まされた経験は誰にもあると思います。成人の頭部の重さは体重の10%程度あるそうです。首の痛みや肩こりは、この重さを不自然な状態で支えた結果です。睡眠時に使うものなので快適さを考えてテンピュール素材のネックピロー テンピュール トランジット ピロー にしたいところですが、携帯性(持ち運び)に難があります。
携帯性を考えるとやっぱり空気を入れて膨らませるタイプの方が便利です。しかし表面がポリエステル性のものだと首や顔にあたると却って不快となり睡眠を妨げます。空気枕を選ぶ際には肌触りのよい生地で覆われていて、膨らませるのが簡単なネックピローを選びましょう。 Purefly ネックピロー U型 などがおススメです。(2018.1 更新)
アイマスク
明るい中で寝るにはアイマスクが便利です。しかし顔や目の周りを締め付けるような感じがしたり、肌触りが悪いものだと、ネックピロー同様に却って睡眠の妨げとなります。テンピュール スリープマスクは、テンピュール素材なので肌触りがよく、立体構造なので眼球が直接押し付けられるようなことがありません。もちろん遮光性も高く、ヘッドバンドは男性でも十分な長さがあります。
スリッパ
機内で靴を履いていると疲れがとれないし蒸れます。でもスリッパのぶらぶらする感じが嫌いなので足にフィットする LAGOPUS ラゴパス ルームシューズ がおススメです。機内だけでなくホテルの部屋でも使えます。
ノイズキャンセリング機能付きイヤホン
ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンは高価なイメージがありますが、audio-technica カナル型イヤホン ノイズキャンセリング は実売価格が5,000円台とお手軽です。最近のノイズキャンセリング機能付きイヤホンはBluetooth対応など便利になっていますが、機内のオーディオで利用するためにはミニプラグ式が必須です。
audio-technica カナル型イヤホン ノイズキャンセリング には航空機用変換アダプターが付属されていることから航空機での利用を意識作られたイヤホンだと思いますが、最近の飛行機では変換アダプターは必要ありません。
肝心のアクティブノイズキャンセリング機能については、環境騒音を約90%低減とありますが、取扱説明書に下記のように記載されています。
ヘッドホンに内蔵された小型マイクロホンで周囲の環境騒音(乗り物内での騒音やエアコンの空調音など主に300Hz以下の騒音)を集音し、その逆位相音を出して騒音を打ち消す仕組みになっています。その結果、環境騒音が低減して聞こえます。
実際に機内で使ってみると「ゴォー」という低音はかなり低減され、音量を下げて音楽を聴いていても快適です。
もうひとつ低価格なノイズキャンセリング機能付きのイヤホンとして、パナソニック カナル型イヤホン ノイズキャンセリング RP-HC30-W があります。こちらは実売価格が3,000円以下とさらにお手軽です。ノイズキャンセリング機能については、250Hz以下の騒音に対応して周囲の騒音を1/4に低減するとあります。
2.寝るための呼吸法と音の世界
次に寝るための呼吸法について説明します。ゆっくりとお腹をへこませて息を吐くことによって副交感神経が働き、脳波がα波、θ波の状態となりリラックスした状態となります。θ(シータ)波はまどろんでいる状態の時に発生している脳波です。
60秒で眠れる、快眠もストレスフリーも思いのままの呼吸法 | 象と散歩 に掲載した"4-7-8"呼吸法を下記に再掲します。
寝るための呼吸法
たった60秒で夢の中に眠りに落ちることができるとされる "4-7-8"呼吸法は、WEIL™(Andrew Weil, M.D.)が提唱する3つの呼吸法のひとつで、Breathing: Three Exercises - Dr. Weil に説明がります。
- 4-7-8呼吸法のやり方
- ”ふぅー”と音をたてながら口から息を全部吐き切る
- 口を閉じて鼻から静かに4秒で空気を吸い込む
- 息を7秒止める
- ”ふぅー”と音をたてながら8秒かけてゆくっりと口から息を吐き出す
- これを1呼吸として2-4を3回繰り返す(計4回)
舌の先は上の前歯の根元にあて、舌の周りから息を吐きます。これが難しいようであれば口をすぼめて息を吐きます。鼻から静かに息を吸って、口から音を立てながら吐き出します。舌は常に前歯の根元にあてておきます。
息を吐く長さは吸うときの2倍です。4秒、7秒、8秒という時間が重要なのではなく、4:7:8という比率が大切です。もし呼吸を維持できなければ4:7:8の比率を維持しながら短くします。練習していくとより長い時間をかけて深い呼吸ができるようになります。
寝るための音の世界
脳波を微睡状態にするために耳からシータ波と同じ周波数を聴いて脳波を同調させる方法があります。しかしシータ波は4Hz-8Hzとそのままでは聴くことができない低周波です。本来は聞こえない音ですが、左右から異なる周波数の音を流すことによって脳がその周波数の差に同調しようとするバイノーラル・ビートという技術があります。バイノーラルビートは両耳から異なった周波数を聴かなければならないので、ヘッドホンやイヤホンが必要となります。
ヘッドホン・イヤホンを必要としない方法としては、音同士を互いに干渉させて特定の周波数帯のうねりを疑似的に体験させる方法のモノラルビート、均等な間隔で脈を打つような単音で脳波を誘導するアイソクロニックトーンというのがあります。
何れにせよ脳波を外部からの刺激で同調させようという方法です。これは赤ちゃんの背中をトントンとゆっくり叩くと、心拍が叩かれたリズムと同調して、遅くなって眠くなるというのと同じだとあります。
バイノーラルビートのダウンロード
Youtube でも数多のバイノーラル・ビートやアイソクロニックトーンを見つけることができますが、Free Binaural Beats - Free High Quality Binaural Beats! の Deep Sleep - Free Binaural Beats がおススメです。無料でダウンロードできます。
右からの基音は111Hz、バイノーラルビートとして、5.5Hz(シータ波)、4.9Hz(シータ波)、3.4Hz(デルタ波)、2.5Hz(デルタ波)、0.9Hz(デルタ波)、0.5Hz(デルタ波)が使用されています。
※ スピーカーでは、ほとんど音が聴こえないのでイヤホンかヘッドホンで再生してください。
また バイノーラル・ビートは Amazon や iTunes でも購入することもできます。バイノーラル・ビート集中と睡眠のために の 熟睡 3Hz(デルタ波) バイノーラル・ビートと集中力を高めるガンマ波の 集中 70Hz(ガンマ波) バイノーラル・ビートを試しに購入してみました。
"バイノーラル・ビート集中と睡眠のために" は、iTunesでも購入可能です。
ヒーリング・ライフ
ジャンル: ニューエイジ
Released: August 10, 2016
3.寝るためのサプリメント
最後は、睡眠サプリです。
メラトニンは日本では医薬品として扱われているので個人で購入することができませんが、アメリがでは自然に存在する物質は医薬品とならないため、メラトニン錠剤がサプリメントとしてスーパーやドラッグストアで販売されています。
メラトニンは、催眠・生体リズムの調節を作用するホルモンで、ウィキペディアに以下の説明があります。
日中、強い光を浴びるとメラトニンの分泌は減少し、夜、暗くなってくると分泌量が増える。メラトニンが脈拍・体温・血圧・などを低下させる事で睡眠の準備が出来たと体が認識し、睡眠に向かわせる作用がある。
ラベルにも「SLEEP SUPPORT」とか「SLEEP AID」とありますが、人によって効果の有無はあるようです。アメリカのドラッグストアでは、5ドル-10ドルぐらいで購入できます。プラシーボ効果かもしれませんが、高価なサプリではないのでサプリメントコーナーをのぞいてみてはいかがでしょうか。
Wallmart, Target, Ralphs, CVS Pharmacy など、どのスーパーマーケットでも購入できると思います。よく見かけるのは3mg,5mg,10mg という錠剤です。10mgが販売されているということは10mgは飲んでも大丈夫だと判断して、夕食後に10mgを摂取しています。
まとめ
機内では航空会社都合の時間を過ごさなければならない時間も多々ありますが、無理にサービスを受けずに自分で時間を管理するように努めます。また機内は乾燥するので、のどが渇いて目覚めないように寝る前に水を飲んでマスクを付けます。水は機内でも頼めますが、自分の時間を過ごすために搭乗前に購入しておきます。またリップクリームも欠かせません。
ホテルではイヤホンをして眠ると首にまとわり付いてくるので、スピーカーで「DEEP SLEEP」やヨガニドラ(YOGA NIDRA(ヨガ ニドラ)で眠りに落ちる瞬間を愉しむ | 象と散歩)でボディスキャンをしながら微睡みます。メディテーションのボディスキャンやヨガニドラも睡眠導入に最適です。初日にうまく寝れると、その後はアメリカ時間に馴染むことができます。
先ずは到着時刻に併せて、往きの機内での行動を変えてみてはいかがでしょうか。