ウォーキング・ベースを弾きたいと、Ibanez の エレクトリック・アップライト・ベース UB804 を購入しました。
「ウォーキングベースを始めるときに、買うべき2冊の教則本」で紹介した教則本で、
- 音楽基礎理論を学ぶ
- 読譜について学ぶ
までは、順調に進んでいましたが、アップライト・ベース(EUB)の弾き方に悪戦苦闘です。
「アップライト・ベースの弾き方を学ぶ」で、アップライト・ベースでの 左手のフォーム と 右手の弾き方 について記載しましたが、左手のフォームと運指は、まだまだ練習が必要です。
Ray Brown's Bass Method のE〜E♭のスケール練習で、ローポジションでの運指練習をしていましたが、ハイポジションでの運指がわかりません。
この本で、ハイポジション(サムポジション)の記載があるのは、3弦(A弦)でのCメジャースケールなど数例しかありません。
|
A弦(3弦)でのCメジャースケール |
12フレット(A)の指番号Tが親指(Thumb)です。
そもそも4(小指)から始まるのも理解できませんが、ハーフポジションは不動のポジションなのでしょうか?
その程度の理解度ですが、学習意欲だけはあるので、ハイポジションが練習できる教材(練習方法)はないかと、Youtubeで検索。
「ん? これは Ray Brown's Bass Method にある E〜E♭ までのメジャースケールと同じ?」
♩=120 と早いテンポで弾いていますが、間違いありません。しかも、ハイポジションでのスケール練習もあります。
アップライトの運指練習用の教則本
ということで、「納 浩一presents バイブル・フォー・ジャズ・ベース」をポチり。
第1章の「楽器の基礎練習」は、
- 初級編(ローポジション)
- 上級編(ハイ・ポジション)
- 応用編(3-7度跳び)
- リズムトレーニング(メトロノームを使った練習)
という構成で、上級編でサムポジションを使ったハイポジションのスケール練習があります。
サムポジションについて学べる「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」は貴重な教則本です。しかも Ray Brown も勧めるスケール練習です。
第2章は「ウォーキングベース」についてですが、未読です、、、。
ローポジションでの運指練習
「ウォーキングベースを学ぶなら譜面が読めるようになろう(♯と♭との戦い)」で疑問を呈したF♯とG♭問題ですが、「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」では、G♭メジャースケールでの記載となっています。
ベースの指板上では同じですが、後述する「何の音を出しているかを声にする」ときに、
- F♯→G♯→A♯→B→C♯→D♯→F→F♯
- G♭→A♭→B♭→B→D♭→E♭→F→G♭
と唱えるかの違いがあります。
ローポジションの練習
先ずは、メトロノームを使わずに、Eメジャースケールから順番に、左手のポジションを確認しながら、1音づつ、しっかりと音を出し、弾いている音を声に出します。
下記の5つに注意して左手のフォームに意識を向けます。
- ネックを握る手の形はC字型
- 人差し指から半音先が中指
- 中指から半音先が小指
- 薬指は中指に添える
- 親指は中指の反対側でネックを支える
各指には番号が振られています。
|
指番号 |
ローポジションでは3フレットを、人差し指(1)、中指(2)、小指(4)で押弦しますが、
- 2の指(中指)を使うときは、1の指(人差し指)と2の指(中指)で押弦
- 4の指(小指)を使うときは、1の指、2の指、3の指、4の指で押弦
に注意してください。
慣れてきたら、「最高に可愛い機械式メトロノームでリズム感を鍛える - メトロノームでリズム練習」で紹介した方法で、メトロノームを♩=40に設定して、メトロノームの音をドラムのスネアが鳴る、2拍、4拍と捉えて練習します。このときの実テンポは♩=80 となります。
初めから早いテンポで練習すると、左手のフォームが崩れて、指がバタつきます。フォームとポジションを意識して、何の音を出しているかを声にして練習しましょう。
ポジションチェンジ
「アップライト・ベースの弾き方を学ぶ - ポジションチェンジ」で、人差し指からのポジションチェンジについて触れましたが、D♭メジャースケールでは 1,4,2,4 という、小指から中指に移動する新たなパターンが出現します。
|
D♭メジャースケール |
D弦(2弦)で、1の指(人差し指)で、E♭(1フレット)の後に、F(3フレット)は、4の指(小指)ではなく、スライドして2の指(中指)で押弦、そして、G♭(4フレット)を4の指で押さえます。
次が、G弦(1弦)での 1,4,2,4 の運指となります。
A♭(1フレット)、B♭(3フレット)を1の指(人差し指)と4の指(小指)で押弦した後に、スライドしてC(5フレット)を2の指(中指)、 D♭(6フレット)を4の指(小指)で押さえます。
戻るときも同じで、4,2,4,1 です。
この 1,4,2,4 の運指は、Dメジャースケール、E♭メジャースケールでも出現します。
マイナースケールでも練習しよう
「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」では、メジャースケールでの運指練習しかありませんが、メジャースケールができるようになったら、次にマイナースケールでも練習しましょう。
「メジャースケールとマイナースケール」からの再掲となりますが、マイナースケールは、3度,6度,7度 が半音下がった ♪ドレミ♭ファソラ♭シ♭ド♪ という音の並び順です。
記号 | 英語 | 日本語 |
---|
R | Root | 完全1度 |
M2 | Major 2nd | 長2度 |
♭3 | Minor 3rd | 短3度 |
P4 | Perfect 4th | 完全4度 |
P5 | Perfect 5th | 完全5度 |
♭6 | Minor 6th | 短6度 |
♭7 | Minor 7th | 短7度 |
Oct | Octarve | 完全8度 |
D♭のマイナースケールは、C♯mです。運指はこんな形になるのでしょうか。
|
C♯マイナー・スケール |
ハイポジションでの運指練習
下記の動画が「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」のCメジャースケールからGメジャースケールでのハイポジションのスケール練習です。
初心者を突き放すような動画ですが、ゆっくりと練習していきましょう。
スケール練習の前にサムポジションでの運指について学びましょう。下記の動画で3パターンの T,1,2,3 という指の使い方が学べます。
G弦(1弦)の3パターンを譜面にしてみました。
1)ハーフポジション
ローポジションなら1フレット、2フレット、3フレットですが、ハイポジションでは開放弦が12フレット(G)で、13フレット(A♭)、14フレット(A)、15フレット(B♭)です。
|
Half Position |
2)1st ポジション
ローポジションの2フレット、3フレット、4フレットです。ハイポジションでは開放弦が12フレット(G)で、14フレット(A)、15フレット(B♭)、16フレット(B)です。
|
1st Position |
2)2nd ポジション
2nd ポジションは、15フレット、16フレット、17フレットですが、開放弦と同じ12フレット(G)の次に、14フレット(A)、16フレット(B)、17フレット(C)と弾いています。Cメジャースケールのソ(G)、ラ(A)、シ(B)、ド(C)です。
|
2nd Position |
上記3パターンをD弦(2弦)、A弦(3弦)、E弦(4弦)でも弾いてみましょう。
サムポジションでの音の出し方
親指の関節で押弦しますが、指が痛い、、、
またサム・ポジションでは、支えとなる親指が指板上にありますので、身体でベースを押さえ込まないと音が鳴りません。これはエレクトリック・アップライト・ベースでも同じです。
サムポジションに慣れてきたら「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」のハイポジションでのスケール練習にトライです。
譜面は、CメジャースケールからGメジャースケールまで8パターンありますが、先ずは、C→D♭→D→E♭ までの4パターンで練習します。
いつか、ハイポジションを使うときのために、練習あるのみです。
リズムトレーニング
「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」のリズムトレーニングでは、メトロノームが鳴るときを4拍の何れか(1拍目 or 2拍目 or 3拍目 or 4拍目)として捉える方法も載っています。
しかし、これだと実テンポが4倍速となり、メトロノームを♩=40で設定しても、実際のテンポは♩=160となります。
KORG の電子メトロノームMA-2のように♩=30で設定できるものであれば、上記の練習でも♩=120となります。
初心者は、メトロノームの音を2拍/4拍で捉える方法で♩=40(実テンポ♩=80)から始めればよいかと思います。
また、上級編で紹介されている、メトロノームを1拍半(3拍で2回)で捉えるのはかなり高度です。
アップライト・ベースの指南書
エレクトリック・アップライト・ベース(EUB)は、コントラバス(ダブルベース)は買えないけど、という人のニーズに応え、更にIbanez UB804は通常のエレキベースと同じスケール長にして楽器としてのハードルをかなり下げてくれています。
しかし、そもそも初心者がアップライト・ベースを弾きたいと思ったときに、学べる教則本が少なすぎます。
今回紹介した「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」もスケール練習としては、最高の一冊かと思いますが、初心者がウォーキングベースを始めるにあたっては難解です。
ウォーキングベースを弾くための音楽理論の基礎については「ウォーキング・ベース超入門」を読み、次に「確実にジャズ・ベースが弾ける練習法」で深め、運指は「バイブル・フォー・ジャズ・ベース」のスケール練習というのが、いまのところの最適解です。
目標は、「1年後に、コード進行を見ながら、自分なりの Walking Bass Line を組み立てられる」でしたが、アップライト・ベースの弾き方に時間を要しています。
まだまだ、先は長い、、、