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Post Date:2023年4月8日 

「書く」を愉しむ万年筆のつけペン MDつけペン

3本の万年筆のつけペン:MDつけペン、hocoro、iro-utsushi

下記で紹介した『iro-utsushi 木軸 モクメ 細字』『hocoro シロ 筆文字』と、2種類の万年筆のつけペンを使っています。

  • パイロット iro-utsushi<いろうつし> 木軸
  • セーラー万年筆 hocoro<ほころ>筆文字

しかし、万年筆でもEF(極細字)とF(細字)しか使ったことがなかったので、もう少し太い字が書けるペンも使ってみたいと、MD PAPER PRODUCTS®︎の『MDつけペン 中字』を購入。

MD PAPER PRODUCTS(MDペーパープロダクト)は、1950年創業の日本の文具メーカーであるミドリが自社開発しているMD用紙(ミドリダイアリー用紙)の魅力を伝えるためのブランドです。MD用紙はクリーム色でとても書き心地のよい紙です。

トラベラーズノートでもMD用紙のリフィルを愛用していますが、『MDノート<新書>』の

  • 無駄を削ぎ落としたシンプルさ
  • 新書という絶妙なサイズ
  • 180°フラットに開く使いやすさ
  • 書き心地のよい紙
  • 万年筆で書いても裏写りしない

から、最近ではMDノート<新書>派にもなりつつあります。ノートがボロボロになるのが好きではないのでノートカバー(透明)を付けて使っています。

そのMD PAPER PRODUCTから発売されていた『MD万年筆』のペン先を使用したつけペンが『MDつけペン』です。


MDつけペン

ペン軸は、紙パウダー入り合成樹脂のMAPKA(マプカ)が使用されていて、紙51%、ポリプロピレン 41%配合なので紙製品に分類される環境にやさしい素材です。

艶消しの薄いクリーム色は、チープな感じがまるでありません。六角形のフォルもとても握りやすいです。

MDつけペンのシンプルなデザイン

ペン先はステンレスでMD万年筆のペン先(ニブ)と同じです。鷹のクチバシのように曲がった独特のフォルムです。

鷹のくちばしのようなMDつけペンのペン先

ペン先にはハート穴がなく、スリットだけが入っているの特徴的です。

MDつけペンのペン先

ペンの重さは42gとありますが、これはケース込みの重さで、本体は実測で11gでした。それでもiro-utsushi, hocoro よりも少し重さを感じます。

【商品】


「書く」を愉しむ

とても書きやすいペンで、ペン先をどの角度で紙に当てても書けます。初めてのM(中字)でしたが、「万年筆で書きました!」という文字になります。

MDつけペンで書いてみる

細字に比べると線の太さのムラや、インクの濃淡がハッキリとするので、文字に味わいが生まれます。これはこれでちょっと気持ちいいかもしれません。


文字を生み出す美しい音

MDつけペンと同じペン先のMD万年筆の動画を見ると、文字を生み出す美しい音を奏でています。

細字のペン先だともう少しカリカリとした音になりますが、紙の上を滑らかに滑りながらも心地よい音を奏でてくれます。

思った以上に MDつけペンの書き味がよいので、MD万年筆もちょっと欲しくなってしまいます。


ペン先を保護するペンキャップが欲しい

万年筆のつけペンは基本的には同じペン先を長く使うことになります。『hocoro』は独自の機能でペン先を保護しますが、『MDつけペン』にはゴムキャップも付いていません。

持ち運ぶペンではありませんが、保管時にはペン先をカバーしたい。

ガラスペン使いの方々によると、ペン先を保護をするキャップとして『くつわ HiLiNE プニュグリップ』がよいとのことなので、文房具屋さんで見かけたら買おうと思います(単価が安い商品はネットだと割高、、、)


万年筆のつけペンで文字を書くことを愉しむ

『iro-utsushi』にもM(中字)があるので、『iro-utsushi 木軸 M(中字) ブラック』にしようかと思いましたが、折角なら違うタイプのペンにしようと『MDつけペン』を購入しましたが、とても気に入りました。

『iro-utsushi 木軸』『hocoro 筆文字』『MDつけペン』と、それぞれ特徴を持ったつけペンです。

3種類の万年筆のつけペン

自分の気に入った万年筆のつけペンを見つけて、文字を書くひとときを愉しんでください。

Post Date:2023年4月6日 

もうひとつの万年筆のつけペン SAILOR hocoro(ホコロ)

SAILOR hocoro 筆文字 と PILOT iro-utsushi

美文字練習のために象と散歩: PILOT iro-utsushi<いろうつし>は美文字練習に適した万年筆のつけペンで紹介したPILOT iro-utsushi<いろうつし> 木軸(モクメ)のF(細字)を使っています。

しかし、パイロット iro-utsushi<いろうつし>より前に万年筆のつけペンとして発売されていたのが、セーラー万年筆『万年筆ペン先のつけペン hocoro(ホコロ)』です。

花瓶をイメージしたという樹脂のペン軸で、カラーはホワイトとグレーがあります。

セーラー 万年筆ペン先のつけペン シロ 細字
セーラー 万年筆ペン先のつけペン グレー 細字

hocoroの特徴は、

  • ペン先を付け替えられる
    4種類の付替用ペン先が利用できる
  • ペン先を収納できる
    ペン先を逆向きに本体に差し込んで収納ができる

です。

発売当初は、細字と1.0mm(カリグラフィータイプ)の2種類でしたが、その後、2.0mm(カリグラフィータイプ)と筆文字のペン先が追加で発売されました。

SAILOR hocoro 2.0mm幅と筆文字
【引用】万年筆ペン先のつけペン hocoro(ホコロ)2.0mm幅・筆文字

iro-utshi<いろうつし>で、つけペンにも慣れたので、

筆文字のような線が書ける。筆記角度で線の太さが変わり、強弱がつく。

という、筆文字ってどうなの?とポチりました。


hocoro 4種類のペン先

hocoro(ホコロ)には4種類のペン先があり、それぞれ単体でも購入することができます。

  • 細字
    均一幅で書ける、ペンポイントが付いているので摩耗しにくい
  • 1.0mm幅(カリグラフィータイプ)
    縦書き太い線、横書き細い線が書ける
  • 2.0mm幅(カリグラフィータイプ)
    縦書き太い線、横書き細い線が書ける
  • 筆文字
    筆文字のように筆記角度で線幅が変わり強弱がつく

カリグラフィータイプとは、書道のように文字の太さと強弱で西洋文字(アルファベットなど)をおしゃれなフォントで書くためのペン先です。カリグラフィーとは、ギリシャ語の「カロス (kallos)」=「美しい」と「グラフェイン (graphein)」=「書くこと」という言葉に由来しています。

また、太い字が書ける 2.0mm と 筆文字は、インク消費量が多いので、インクを保持するリザーバーパーツが搭載されています。

リザーバーパーツは、万年筆のペン芯を単純化し、洗浄性を高めたもの。筆記時はインクを保持し、インク消費の多い太い線幅に対応します。色替え時はペン先を軽く水で流すだけで簡単に洗浄ができます。

【引用】hocoro 新ペン先&リザーバーパーツ | セーラー万年筆

hokoro(ホコロ) 4つのペン先については、下記の紹介動画を参照してください



筆文字

hocoro 筆文字は、ペン先に曲げ加工を施されているので、 ペンの角度や筆圧によって線幅が変わり、筆で書いたような文字が書けます。また、インクを保持するリザーバーパーツが付いているので、インクの消費が多い太い線で書いてもペン先をインクに浸す回数が少なくて済みます。

SAILOR hocoro 筆文字の曲がったペン先とリザーバーパーツは曲がっていて

hocoro 筆文字の書き心地は?

重さは実測で7g程度と軽く、握り部分がくびれて細くなっているので鉛筆のような感覚です。

説明にありますが、ペン先を立てて(普通の角度)で書くと細字になります。筆文字の特徴を活かして線を太く書くときには、ペン先を寝かす必要があるのでコツを掴むまでには慣れが必要です。

hocoro 筆文字の使い方

筆文字の特徴を活かして書いてみました。お見苦しい点はご容赦願います。

SAILOR hocoro で書いた文字

筆文字のペン先にあるリザーバーパーツは優れもので、つけペン なのにインクの持ちがとてもよいです。


iro-utsushi と hocoro どっちがいい?

hokoroの細字タイプのペン先を購入していないので、同じ細字での iro-utsushiと書き心地の比較はしていません。しかし、どちらのペンに愛着を持てるかといえば、木軸の iro-utsushi です。

SAILOR hocoro 筆文字 と PILOT iro-utsushi 木軸

また、ペン先については、hocoroはステンレス、iro-utsushiは特殊合金です。特殊合金を使用したペン先は、一般的にはステンレスペン先よりも強度が高く、耐久性や長寿命性に優れているので、万年筆のつけペンという観点では、iro-utsushiに軍配があります。

だからこそ万年筆のつけペンとして木軸の iro-utsushiを購入したのですが、hocoroは筆文字を使ってみたいという好奇心にかられての購入です。

値段が高い筆記用具ではないので、筆文字やカリグラフィーに少しでも興味があるというのであればhocoroは持っていて損のない1本です。

hocoroの高い収納性

美文字練習では、iro-utsushiが中心ですが、時折 hocoro 筆文字も使って遊んでいます。

つけペンはインクが乾いて書けなくなるということもありませんし、hocoroは、ペン先を逆向きに本体に差し込んで収納できるので、自分の出番をペン立てでじっと待つのが得意です(笑

SAILOR hocoro は収納性が高い

いつか手紙や葉書を hocoro 筆文字で書けることを夢見て、、、


あわせて読む

万年筆のつけペンについては、『パイロット iro-utsushi<いろうつし> 木軸』『ミドリ MDつけペン』について下記で紹介しています。

Post Date:2023年4月2日 

PILOT iro-utsushi<いろうつし>は美文字練習に適した万年筆のつけペン

PILOT iro-utsushi<いろうつし> と PILOT Blue Black Ink

美文字に憧れて字の練習を始めたけど、美しい字とは程遠い状況です。気分を高めるために購入した万年筆(Farber Castell faber AMBITION)も普段使いとなり、モチベーション維持の効果が薄れてしまいました。

筆記具に日常とは違った特別感があれば、使う楽しみも生まれて字の練習に集中できるかもしれません。また少しだけ不便になることは儀式的にもなるので、ペン先をインクに浸しながら書くのがいいのではないかと考えました。子供の頃の習字の時間と同じです。

最近流行りのガラスペンも「いいかな」と思ったのですが、普段使っている万年質と書き味が大きく異なると美文字練習にも向きません。


つけペンとは

インクをペン先につけながら書く筆記用具のことを「つけペン」と言いますが、もともとペンは、ペン先にインクをつけて書くものでした。しかし、万年筆やボールペンのように内部にインクを格納する方式が主流となったので、レトロニムとして「つけペン」と言われるようになったようです。

レトロニム(英語: retronym)あるいは再命名とは、ある言葉の意味が時代とともに拡張された、あるいは変化した場合に、古い意味の範囲を特定的に表すために後から考案された言葉のことを指す。(省略)「レトロニム」という単語は、「過去」を意味する「レトロ(retro)」と「語」を意味する接尾辞 (-onym) の合成による。

【引用】レトロニム - Wikipedia

つけペンは、ペン軸ペン先を付けるタイプが一般的です。


ペン軸

ペン軸のメーカーは日本では、立川ピン製作所や東京スライダなどがありますが、何も安価に購入できます。

「東京スライダ SL1993」は、材質は木材で木目調のシンプルなデザインです。


ペン先

ペン習字には、日本字ペンサジペンが一般的なようですが、日本字ペンは「ハネ」の表現もでき、行書や草書などの崩し字を書きたい場合に向いているとあります。

一方、サジペンというのは、インクを溜まりやすくするためにペン先にスプーン状(さじ)になっていることからサジペンと呼ばれています。サジペンは、インクの流れを調節できるので、線の太さや濃さを自在に変えることができるとあります。

万年筆と違ってペン先が摩耗するので定期的な交換が必要です。


iro-utsushi<いろうつし>

ペン軸とペン先を購入しようと思っていたら、『文房具屋さん大賞 2023』で大賞を受賞したつけペンタイプの筆記具 PILOT iro-utushi<いろうつし>を知りました。

大賞へのコメントは「書くことをもっと楽しく、手軽に。つけペンの歴史に新たな1ページを刻んだ名作」です。

まさに万年筆のつけペンです!

万年筆のつけペンというのは矛盾した言い方ですが、商品紹介にも「なめらかに書ける、万年筆のペン先がついた筆記具」とあります。これなら普段使っている万年筆とも遜色がないはずです。違いはインクをつけながら書くということです。

ボディは木軸(モクメ/ブラック)と樹脂軸の2種類で、太さはF(細字)とM(中字)の2種類です。F(細字)であれば小さな文字でも潰れません。

ペン軸は、最大径φ12.2mmとありますが、これは中間部の最も太いところで、ペンを握るあたりは細くなっています。

シンプルな木軸(モクメ)のF(細字)とPILOTブルーブラックのインクを購入。

iro-utsushi<いろうつし>のペン先は交換できませんが、耐久性の優れた特殊合金のペンポイント(先端部のポチッとした部分)となっているので、万年筆と同じように長く使える筆記具だと思います。

PILOT iro-utsushi<いろうつし>のペン先

iro-utsushi<いろうつし>の使用感

木製の軸には平らな部分があり、ペン軸が転がらないようになっています。またこの部分がペンを握った時にちょうど中指に乗っかるのでペンの握り心地も悪くありません。

PILOT iro-utsushi<いろうつし>とPILOT Blue Black Ink

F(細字)は、ファーバーカステル アンビションのEF(極細)と比べてもあまり変わらず、細い字でもつぶれてしまうこともなく書けます。かなり軽いペンで計測すると8gでした。もう少し重さがあってもいいかなという感じですが、ペン先の滑りもよく書き味も悪くありません。

万年筆との違いはインクに浸しながら書くという一手間が必要なことです。iro-utsushi<いろうつし>は、つけペンなので自宅でしか使わないという特別感もあります。

また、使用後にペン先のインクを水で流す必要がありますが、これも終了の儀式として「これにて本日の字の練習は終了!」という終了感があります。

ペン先を保護するために保管をするときには付属のゴムキャップを付けます。

PILOT iro-utsushi<いろうつし>の保護キャップ

これで、美文字に向けた練習が捗りますように、、、。

美文字の練習については、象と散歩: 美しい大人な字を書くための5つのステップを参照してください。


あわせて読む

万年筆のつけペンについては、『セーラー万年筆 hocoro<ほころ> 筆文字』『ミドリ MDつけペン』について下記で紹介しています。

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