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Post Date:2024年3月12日 

初心者が行書を学ぶ前にみるべきオンラインコンテンツ

象と散歩:美しく速く書く技術

万年筆で流れるように美しい字を書きたい!

そう思い立ち、「美文字」というキーワードで検索して字の練習を始めましたが、結局、「ひらがな」から卒業することができずに挫折してしまいました。

しかし、「初心者こそ、速くカッコよく書ける行書を学ぶべき」と知り、再挑戦することにしました。

行書は、楷書よりも速く書けるだけでなく、読みやすく美しい書体です。しかも、基本パターンを学べば多くの漢字に適用することができるので効率的です。

行書で書くことによって、筆記速度が上がるだけでなく、速く書くことで集中力も高まります。万年筆で書けば、さらに味わい深い字になります。

しかし、「そもそも、行書って何?」という方も多いのではないかと思います。そんな、字の練習を始めようかと重あれている方が、最初にみるべきコンテンツを紹介していきます。


行書は、速く書くことができると実感できる動画

群馬県の公式動画「【中学国語】行書の魅力」では、中学の国語の授業の中で、行書の魅力を分かりやすく解説しています。

この動画では、行書を「楷書よりも速く書ける」「読みやすい」書体であるといっていますが、確かに、行書を知らなくても、字を速く書こうとすると、何となく続けて書いたりしているのではないでしょうか。

何となく続けるのではなく、行書には一定度のルールがあることを示しています。この動画の中では、速く書くコツ(行書の書き方の特徴)として、下記の2点について説明されています。

  1. 丸み
  2. 連続

また、下記は、教育出版の中学校書写にある、小学校で習う漢字の行書と楷書です。

一生涯役立つ速く書く技術である「行書」を、学校教育の中で教えてもらいたかった、、、。


行書についての知識を得る

続いては、大江静芳氏の「【速くきれいに書きたい方へ】ボールペンで行書の基本と書くコツ」です。この動画で、行書の歴史、魅力、特徴について学ぶことができます。行書について、もう少し詳しく知ることができます。

行書の特徴は、下記の3点についての説明があります。

  1. 線の連続(日、幸、言、書)
  2. 点折部分<曲線的に書く>(口、共、思)
  3. 点画の省略(きへん、れっか、もんがまえ)

「点画」は、てんかく、と読み、漢字を構成する最小単位の線のことです。点、横画、縦画、縦払、横払、曲げ、はね、とめなどの種類があります。

この動画の中では、群馬県の中学国語にはなかった点画の省力についての説明があります。


行書の書き方を知る

書道家の上平泰雅氏による「【劇的改善】行書の書き方【おさえるべき5つのポイント】」は、初心者向けの行書の説明動画です。下記の5つのポイントについての説明があります。

  1. 点画の省略(きへん、しめすへん、さんずい、もんがまえ)
  2. 点画の連続(三、つかんむり、さんづくり、れっか、口)
  3. 点画の変化(大、西、立)
  4. 筆順の変化(くさかんむり)
  5. 曲線的である(くち)

この5つが行書を書く上での基本ルールとなりますが、例としてあげている漢字は一部にすぎません。この基本ルールに基づくパターンをもう少し覚えれば、色々な漢字に適用できるようになります。


書き順(筆順)を覚えよう

行書は、点画と点画が繋がる流れを指す「筆脈」を意識するとあります。しかし、正しい書き順をわかっていなければ、筆脈を意識することはできません。

またそれ以前に、筆順を理解していないと、例えば、「と」「」を行書で書く時に繋げる部分がわからなくなってしまいます。


基本的な筆順

  • 上から下へ:三、
  • 左から右へ:川、林
  • 横画は縦画より先:十、共、青 複数の横画があるときは最初の横画の次に縦画
  • 貫く縦画は最後

上記のルールに当てはまらないものは、間違えやすい書き順としてもよく取り上げられています。

自分は、「共」に始まる「異」「選」、そして「青」の上の部分の書き順を間違っていました。いままで書き順を意識したことがあまりありませんでしたが、速く書くと自然に線が繋がっていくので、改めて正しい書き順の大切を実感しました。


行書を練習するには

行書を効率的に習得するには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。


1. 行書のパターンを学ぶ

行書の基本ルールには、以下のようなものがあります。

  • 省略:点画を省略する
  • 繋ぎ:点画を繋げて書く
  • 変化:形や位置を変える

これらの基本ルールにはパターン化されたものが多いので、このパターンを色々な漢字に適用することで、効率的に行書での書き方を習得できます。


2. 筆順を覚える

点画を物理的につなげるときだけではなく、スムーズに速く書くためにも、正しい筆順の理解は大切です。


3. 速くたくさん書く

速くたくさん書く練習としても「書く瞑想(ジャーナリング」は最適です。書く瞑想については象と散歩: 書く瞑想:ジャーナリングの始め方で紹介していますので、そちらをご覧ください。


行書を練習するための教材

行書は、速く美しく書ける実用的な書き方にも関わらず、初心者が普段の筆記具で学べる教材がほとんどありません。また上記で紹介した行書の動画で紹介されているパターンは限られています。

しっかりと学ぶのであれば、象と散歩: 字が汚いと悩むあなたへ!字を速く、きれいに書ける「行書」を初心者が学ぶ方法で紹介した、下記のUdemyの2コースです。

Udemyにある武内和恵氏の美文字講座
多彩な講座から自分に合った講座を探そう!

書籍では、「きれいな字を速く書く技術」がオススメです。

基本パターンが習得できたら、行書にも色々な書き方がありますので、自分の気に入った行書の書き方を調べて、真似てください。


お気に入りの万年筆で、行書練習を楽しく

お気に入りの筆記具を購入すると、気持ちも高まりますし、「使わないともったいない」という気持ちにもなります。中字の万年筆は、筆圧をかけずに、味わいのある文字を書けるのでオススメです。

特に、パイロットの金(14K)軟ペン中字と、セーラー万年筆の金ペン(21K)中字は、とても書きやすく、多くの人に愛されています。

カスタム ヘリテイジ 912 SMとプロフェッショナルギア

行書は、最初は難しいと感じるかもしれません。しかし、基本ルールをパターンとして覚えれば、必ず、今まで以上の字が書けるようになります。

お気に入りの万年筆で行書を練習して、カッコいい字を書きませんか?

Post Date:2024年1月25日 

字が汚いと悩むあなたへ!字を速く、きれいに書ける「行書」を初心者が学ぶ方法

字を練習するゾウ

書く瞑想(ジャーナリング)を始めるにあたって、速く書いても疲れない道具として新しい万年筆を購入しました。次に字を「速く書く方法」を探して、読んだ下記の2冊の本が「目からウロコ」でした。

行書を学ぶことで、きれいで速く字を書くことができるとあります。


字を速くきれいに書くには行書を学ぶべき

行書のイメージは、字の達人が書く字でした。しかし、2冊の書籍から行書は、美文字を書く人の武器ではなく、字を速く書き、きれいに見せるための「技術」であるということを知りました。

「行書」とは、一画ずつ丁寧に書く「楷書」と、芸術作品のように完全に崩して書く「草書」の中間に位置する書体です。

行書の特徴は、下記の以下のとおりです。

  • 文字をつなげて書く
  • 楷書の字形を活かして、一部を崩して書く
  • 速く書けるが、読みやすい

速く書ける」 「カッコいい」読みやすい」の三拍子が揃った行書こそ、日常で使える書体であり、「字が下手だ」とコンプレックスを抱く初心者が学ぶべき書き方だったのです。


漢字をきれいに書くには法則がある

色々な書籍で字をきれいに書くための法則が書かれていますが、この2冊に書かれていることは共に3つです。

魔法の美文字入門きれいな字を速く書く技術
縦の線はまっすぐに書く(打ち込む)右に六度上げて書く
横の線は右上がりに書く(さらっと)重心は右下に置く
等間隔で書く等間隔を意識する

両著者を合わせても、4つのルールです。

富澤氏の提唱する六度法については下記の動画を参考にしてください。


行書にはルールがある

行書の特徴である「繋げ方」「崩し方」には、ルールがあり、このルールを適用すれば多くの漢字に当てはめることができます。

例えば、

  • 二画・三画のつなげ方
  • 部首の崩し方(さんずい、くさかんむり、きへん、のぎへん etc)

とかです。

また、漢字をカッコよく行書で書くには、書き順(筆順)が大切だというのも痛感しました。


行書を学ぶ方法

きれいな字を速く書く技術」では、

  • 第2章 きれいな字を「速く」書く技術をつかむ
  • 第3章 漢字をきれいに速く書く

でお手本をベースに行書の書き方を学ぶことができます。

一方、「人生が変わる魔法の美文字入門」には、漢字のそのもの練習がありません。本にあるのは、縦線、横線、等間隔を描くために、「梯子」と「魚の骨」のような図形を描く練習方法だけです。こちらは、下記の動画でも説明されています。

武内氏の「行書で書けば、何となくカッコいいでしょ」という言葉に共感し、Udemyで武内氏の行書講座を探したところ、4講座がありました。

Udemyにある武内和恵氏の美文字講座

「行書のルール」と「漢字の筆順ルール」について学べる下記の2つの講座はオススメです。

正直、オンライン講座としての完成度に改善の余地はあるかと感じましたが、日常的に使う「行書」を学ぶコンテンツがない中では、とても参考となる講座です。


Udemyはキャンペーンで購入

Udemyは、かなりの頻度でキャンペーンを実施しています。お勧めした2講座も¥27,800とありますが、キャンペーンで購入すると1,300円から1,800円ぐらいで購入できます。自分は、年始のキャンペーンで1,300円となっていたので勢いで4講座とも購入しました。

多彩な講座から自分に合った講座を探そう!

まとめ

「速く書く」という点から行書に辿り着きましたが、初心者が字の練習を始めるのであれば、速く美しく書ける「行書」からというのは、新たな気づきでした。

しかし、日常的にペンで書く行書を学ぶコンテンツはほとんどありません。富澤 敏彦氏の「たった10分で身につく きれいな字を速く書く技術」と武内和恵氏のUdemyの講座は、初心者にとって、とても参考になります。自分もこれらの教材で学んだことで、字が少し上達した実感を得ることができました。

行書のルールを理解してくると、「彩 行書」などとGoogleで画像検索をすれば自分の気に入った書き方も探せます。

速く書くための道具として「14金軟調ペン」の「PILOT Custom Heritage 912【中字・軟】」を購入しました。

PILOT カスタム ヘリテイジ 912【中字・軟】

しかし、行書の練習をするにあたり、また新しい「道具」(21金ペン)も欲しくなってしまいました。嗚呼、物欲の神様、、、。

Post Date:2023年5月22日 

MOOKとネットで始める「万年筆の横書き美文字」

「8大法則でたちまち美文字」で美文字練習

美しい文字は、印象を良くするだけでなく、自分自身にも自信を与えてくれます。また、万年筆で書く文字は独特の質感や雰囲気があり、大人な魅力を醸し出します。

そんな万年筆で書く美文字に憧れ、書籍を購入して美文字の練習を始めましたが、普段のノートやメモ書きは横書きで、縦書きで文字を書くことは皆無です。

「横書きの練習をしなければ」

そこで、これらのコンテンツと後述するいくつかのWebサービスを使って横書きの練習を開始しました。


横書きのコツ

大江静芳氏の「美文字に近づく 横書きの綺麗な書き方」という動画で横書きのバランスについて学ぶことはできますが、一文字一文字がキレイに書けるのが前提です。

美文字に近づく 横書きの綺麗な書き方


「ひらがな」と「カタカナ」を練習しよう

常用漢字だけでも2,000文字以上ありますが、それに比べてかな文字(ひらがな/カタカナ)は合計で92文字しかありません。ひらがな/カタカナの練習を通じて、美文字の基礎をしっかりと学びましょう。

大江静芳氏が講師を務めたNHKまる得マガジン「8大法則でたちまち美文字」のテキストは、非常に分かりやすく説明されています(MOOKとしても発売されています)。さらに、「静芳(せいほう)のYouTube書塾」に「ひらがな」と「カタカナ」の書き方が解説された動画が公開されています。

テキスト付録の「かな文字の練習帳」とYouTube動画の説明を参考にして以下の手順で練習します。

  • 練習帳の文字をなぞる(右脳的練習)
    美しい文字のかたちをイメージしながら、文字をなぞって書いていきます。
  • 動画の説明を見ながら書く(左脳的練習)
    YouTube動画の解説を聞きながら、文字を書いていきます。

「右脳的練習」と「左脳的練習」を交互に繰り返すことで、美文字の定着を図ります。

※ MOOK(ムック)とは、「Magazine(マガジン)」と「BOOK(ブック)」の略語で、本と雑誌の中間的な性質を持った出版物のことです


右脳で形を覚える

「8大法則でたちまち美文字」の付録①「ひらがな」と付録②「カタカナ」を使用しますが、そのままだと文字が大きいので縮小コピー(A4からB5に縮小)します。

「8大法則でたちまち美文字」で美文字練習

そして、縮小コピーをした用紙の上にトレーシングペーパーを重ねて、繰り返しなぞることで文字の形とバランスを右脳に記憶させます。

  1. 『8大法則でたちまち美文字』の付録をA4からB5へ縮小でコピー
  2. B5としてコピーした「ひらがな」と「かたかな」の2枚をA4 1枚としてコピー
  3. トレーシングペーパーでなぞる

見本は縦書きに右から縦書きで「あいうえお」と右から左に書かれていますが、左から横書きで「わらやまはな…」と書くか、文字の形を覚えることに徹して「わをん、やゆよ」と左から縦書きに書いていきます。

繰り返し何回も書いて、文字の形を脳にしっかりとインプットしましょう。


左脳で理解する

左脳で文字の書き方を理解するために、大江静芳氏のYouTubeチャンネル「静芳(せいほう)のYouTube書塾」の動画を見ながら方眼罫/5mmのレポート用紙に書いて練習しています。

長い動画なので倍速視聴でタイパです。1.75倍速でも十分に説明を理解できますし、テンポよく書いて行けます。1.75倍速で再生すると、「ひらがなの書き方 全文字解説」は20分24秒、「カタカナの書き方 全文字解説」は12分28秒です。

つご30分弱ですので毎日の練習にちょうどいい時間です。



算用数字

ひらがな/カタカナと合わせて算用数字も練習しておきましょう。下の動画は「ボールペンで算用数字の書き方」ですが、万年筆でも書き方は同じです。


漢字の練習は?

基本的な美文字のコツについては、「8大法則でたちまち美文字」で学ぶことができますが、漢字を一文字ずつ練習するのは大変な作業です。文部科学省の学習指導要領によると、小学校で習う常用漢字だけでも1,006字もありますので、これだけでも気が遠くなりそうです。

学年 漢字数
第一学年80
第二学年160
第三学年200
第四学年200
第五学年185
第六学年181
合計1,006

静芳(せいほう)のYouTube書塾」の動画で、小学校1年生と2年生の漢字ぐらいは練習しようと思っていますが、まだ見られていません。


好きな文章で練習する

普段書いている文章や、好きな言葉で文字の練習をすることで、全体的な文字のバランスを含めて確認できるので漢字を一文字づつ練習するよりも効率的です。実際に入力した文章をお手本として表示してくれたり、練習帳を作成できるサービスを使うと、より実践的な練習ができます。


ペン字場

ペン字場』こちらも同じく、入力した15文字までの文章で練習用紙を作成できます。1行15文字でなぞり書き用が5行あるので練習用紙としては優れています。

  1. 練習したい文章を入力

    ペン字場:オリジナル練習用紙作成

  2. 練習用紙の表示

    ペン字場:オリジナル練習用紙


ペン字の味方

『ペン字の味方』は、自分で練習したい文章を入力して作成した練習用紙をダウンロードできます。

  1. 練習したい文章を入力

    ペン字の味方:オリジナル練習用紙作成

  2. フォーマットを選択

    ペン字の味方:フォーマットの選択

  3. ダウンロード

また、 練習用紙一覧 | 『ペン字の味方』から小学生で習う常用漢字(1,006字)の練習用紙などもダウンロードして利用できます。

ペン字のお手本変換ツール

ペン字のお手本変換ツール』は、練習用紙のダウンローなどの機能はありませんが、入力した文字のお手本を表示してくれます。文字サイズを変更できるのが便利です。

ペン字のお手本変換ツール

漢字の書き順

字の練習をするようになって、自分の漢字の書き順がいい加減だったことを再認識しました。美しい字を書くためには、書き順は非常に重要です。

書き順の確認には、漢字の正しい書き順(筆順) を使っています。左上の検索窓に調べたい漢字を入力して検索すると、書き順がアニメーションで表示されます。

漢字の正しい書き順(筆順)

グリッド表示でコマ送りにすると漢字のバランスを意識した書き順がわかるので、美文字練習の参考になります。また「ポイント」には漢字の書き方のアドバイスなども表示されています。

漢字の正しい書き順(筆順)

3,000円で美文字練習を練習を始めよう

テキスト1冊とネットの無料コンテンツで美文字練習ができます。

初期投資は、テキスト、つけペン、ボトルインクで合計で3,000円です。

3,000円で毎日30分を楽しむことができるだけでなく、趣味と実益を兼ねているため、自己投資として非常にコストパフォーマンスが高いのではないでしょうか。

初めて万年筆を使うのであれば、こちらの動画も参考となります。

Post Date:2023年5月5日 

美文字練習は、iro-utsushi<いろうつし>木軸の中字で!

万年筆のペン先を持つ「つけペン」たち

iro-utsushi<いろうつし>は、パイロットの万年筆のペン先を使用した国産のインクをつけながら書く『つけペン』です。パイロットのペン先は、10,000万円以上のモデルでは14K(金)のペン先が使われていますが、kakunoをはじめとするエントリーモデルのペン先は特殊合金です。

iro-utsushiのペン先も特殊合金です。しかし、つけペンは、ペン先に「ペン芯」がないので通常のエントリーモデルの万年筆と比べるとペンタッチにしなやかさがあります。


普段と同じ書き心地で不便さを楽しむ

普段づかいのペンと書き心地で大きく違わない万年筆のペン先を持つ『つけぺん』を選びました。万年筆との違いは、インクを付けながら書くという不便さです。

ちょっとした不便さは、意味のある特別な時間を演出してくれます。

デジタル化が進み文字を書く機会は減る一方です。だからこそ、文字を書く時間を大切にすることが、より意味を持ち、文字というものの奥深さや、手書きの温かみを再確認することがでるのではないでしょうか。


木軸の中字

iro-utsushi<いろうつし>には樹脂軸と木軸がありますが、木軸は丸みを帯びたフォルで手に馴染みやすいフォルムです。ペンが転がらないように1面だけ平らに削られていますが、この部分がペンを握るときに中指に乗せる部分にもなるので握りやすいペンです。

木軸には、モクメとブラックがあります。

iro-utsushi<いろうつし>モクメとブラック

F(細字)はモクメを購入したので、M(中字)はブラックにしました。

iro-utsushi<いろうつし>M(中字)とF(細字)

木軸のブラックは、深みのある黒色が美しく高級感があります。樹脂軸の方が安価ですが、見栄え的にも、持ちやすさ的にも木軸推しです。

iro-utsushiの中字は、日本語の文字に合わせて、海外製万年筆のM(中字)と比べると若干細くなっています。それでも、中字はインク量も多いので、筆圧もいらずに滑らかに書けて、万年筆らしい個性のある文字が書けます。


字を練習するなら中字を

普段は細字の万年筆を使っていますが、字を練習するときには、ハッキリとした筆跡で滑らかに書ける中字で少し大きめに書くようにしています。字幅のある大きめの文字は誤魔化しが効かないので、字を練習するのであれば「中字」が最適だと思います。

MDつけペンとiro-utsushi 中字

MDつけペンも中字でとても書きやすい中字のペンです。極細字、細字の万年筆で「カリカリ」と書いていたので、「スラスラ」という滑らかな中字の書き心地は異世界でした。

下記がiro-utsushiモクメ細字、iro-utsushiブラック中字、MDつけペンの書き比べですが、iro-utshiの中字より、MDつけペンの方が若干、字幅が太いです。

iro-utsushi M(中字)は細め

iro-utsushi中字とMDつけペンは、特殊合金とステンレスというペン先の違いはありますが、共に柔らかい筆跡が特徴で、書き心地の違いはほとんどありません。ただし、MDつけペンはペンポイントが軸の中央にあるため、普段、他の万年筆を使っていると、最初は違和感を感じるかもしれません。

iro-utsuhi中字は、安価なペン先ながらも、非常に丁寧に作り上げられており、字幅が太くなっても優等生な整った文字が書けます。PILOTというメーカーならではの、高い日本品質が感じられます。一方、MDつけペンは字幅が少し太い分、インクの濃淡と文字幅にムラが出るので、より個性的な文字が書け、外国製万年筆のような魅力があります。

整った字が書けるという意味では、美文字練習にはiro-utsushi 中字を、より個性的にというのであれば、MDつけペンがオススメです。

MDつけペンで書く文字が素敵と思って、MD万年筆も購入しましたが、iro-utsushi<いろうつし>中字を購入して、違いが明確になりました。

どちらも2,000円前後の価格帯のペンとしては非常に満足度が高いと言えます。


色々買って楽しむ

趣味として使うお金と考えれば、色々なつけペンを使ってみるのも楽しいので、決して無駄な投資ではありません。hocoroは、筆文字しか持っていないので細字の書き心地はわかりませんが、同価格帯のセーラー万年筆 ハイエースネオが書きやすいと評判なので、安心して使えると思います。

メーカー製品価格(税込)備考
PILOTiro-utsushi1,980円木軸, 細字 or 中字
SAILORhocoro1,480円細字
MD Paper ProductsMDつけペン2,200円中字

色々な『つけペン』を使って、文字を書く時間を楽しんでください。

Post Date:2023年4月2日 

PILOT iro-utsushi<いろうつし>は美文字練習に適した万年筆のつけペン

PILOT iro-utsushi<いろうつし> と PILOT Blue Black Ink

美文字に憧れて字の練習を始めたけど、美しい字とは程遠い状況です。気分を高めるために購入した万年筆(Farber Castell faber AMBITION)も普段使いとなり、モチベーション維持の効果が薄れてしまいました。

筆記具に日常とは違った特別感があれば、使う楽しみも生まれて字の練習に集中できるかもしれません。また少しだけ不便になることは儀式的にもなるので、ペン先をインクに浸しながら書くのがいいのではないかと考えました。子供の頃の習字の時間と同じです。

最近流行りのガラスペンも「いいかな」と思ったのですが、普段使っている万年質と書き味が大きく異なると美文字練習にも向きません。


つけペンとは

インクをペン先につけながら書く筆記用具のことを「つけペン」と言いますが、もともとペンは、ペン先にインクをつけて書くものでした。しかし、万年筆やボールペンのように内部にインクを格納する方式が主流となったので、レトロニムとして「つけペン」と言われるようになったようです。

レトロニム(英語: retronym)あるいは再命名とは、ある言葉の意味が時代とともに拡張された、あるいは変化した場合に、古い意味の範囲を特定的に表すために後から考案された言葉のことを指す。(省略)「レトロニム」という単語は、「過去」を意味する「レトロ(retro)」と「語」を意味する接尾辞 (-onym) の合成による。

【引用】レトロニム - Wikipedia

つけペンは、ペン軸ペン先を付けるタイプが一般的です。


ペン軸

ペン軸のメーカーは日本では、立川ピン製作所や東京スライダなどがありますが、何も安価に購入できます。

「東京スライダ SL1993」は、材質は木材で木目調のシンプルなデザインです。


ペン先

ペン習字には、日本字ペンサジペンが一般的なようですが、日本字ペンは「ハネ」の表現もでき、行書や草書などの崩し字を書きたい場合に向いているとあります。

一方、サジペンというのは、インクを溜まりやすくするためにペン先にスプーン状(さじ)になっていることからサジペンと呼ばれています。サジペンは、インクの流れを調節できるので、線の太さや濃さを自在に変えることができるとあります。

万年筆と違ってペン先が摩耗するので定期的な交換が必要です。


iro-utsushi<いろうつし>

ペン軸とペン先を購入しようと思っていたら、『文房具屋さん大賞 2023』で大賞を受賞したつけペンタイプの筆記具 PILOT iro-utushi<いろうつし>を知りました。

大賞へのコメントは「書くことをもっと楽しく、手軽に。つけペンの歴史に新たな1ページを刻んだ名作」です。

まさに万年筆のつけペンです!

万年筆のつけペンというのは矛盾した言い方ですが、商品紹介にも「なめらかに書ける、万年筆のペン先がついた筆記具」とあります。これなら普段使っている万年筆とも遜色がないはずです。違いはインクをつけながら書くということです。

ボディは木軸(モクメ/ブラック)と樹脂軸の2種類で、太さはF(細字)とM(中字)の2種類です。F(細字)であれば小さな文字でも潰れません。

ペン軸は、最大径φ12.2mmとありますが、これは中間部の最も太いところで、ペンを握るあたりは細くなっています。

シンプルな木軸(モクメ)のF(細字)とPILOTブルーブラックのインクを購入。

iro-utsushi<いろうつし>のペン先は交換できませんが、耐久性の優れた特殊合金のペンポイント(先端部のポチッとした部分)となっているので、万年筆と同じように長く使える筆記具だと思います。

PILOT iro-utsushi<いろうつし>のペン先

iro-utsushi<いろうつし>の使用感

木製の軸には平らな部分があり、ペン軸が転がらないようになっています。またこの部分がペンを握った時にちょうど中指に乗っかるのでペンの握り心地も悪くありません。

PILOT iro-utsushi<いろうつし>とPILOT Blue Black Ink

F(細字)は、ファーバーカステル アンビションのEF(極細)と比べてもあまり変わらず、細い字でもつぶれてしまうこともなく書けます。かなり軽いペンで計測すると8gでした。もう少し重さがあってもいいかなという感じですが、ペン先の滑りもよく書き味も悪くありません。

万年筆との違いはインクに浸しながら書くという一手間が必要なことです。iro-utsushi<いろうつし>は、つけペンなので自宅でしか使わないという特別感もあります。

また、使用後にペン先のインクを水で流す必要がありますが、これも終了の儀式として「これにて本日の字の練習は終了!」という終了感があります。

ペン先を保護するために保管をするときには付属のゴムキャップを付けます。

PILOT iro-utsushi<いろうつし>の保護キャップ

これで、美文字に向けた練習が捗りますように、、、。

美文字の練習については、象と散歩: 美しい大人な字を書くための5つのステップを参照してください。


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万年筆のつけペンについては、『セーラー万年筆 hocoro<ほころ> 筆文字』『ミドリ MDつけペン』について下記で紹介しています。

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