Translate

Post Date:2024年12月14日 

長刀風?ロングナイフニブ:Hongdian N8 の表現力と可能性

Hongdian N8 Long Knife Nib wtih Ebonite Feed

長刀研ぎ(なぎなたとぎ)は、セーラー万年筆が誇る特殊ペン先です。刀剣の長刀に似た形状で、角度や筆圧によって線の太さや強弱を調整でき、日本語の「トメ」「ハネ」「ハライ」を美しく表現できます。

しかし、そんな魅力的なセーラーの長刀研ぎ(なぎなたとぎ)ですが、職人が一本一本手で研ぎ上げるため、気軽には手が出せない価格帯です。WANCHERの渓流ニブ / 小太刀ニブという選択肢もありますが、こちらも決して安価とは言えません。

そこで注目したのが、中国の万年筆メーカーが提供する「Long Knife Nib(ロングナイフニブ)/ Long Blade Nib(ロングブレードニブ)」です。「長刀ペン先」との記載もありますが、日本国内ではセーラー万年筆が文房具類で「長刀/NAGINATA」を商標登録しています。


英雄616 長刀風研ぎ

最初に見つけたのが英雄616 長刀風研ぎです。

英雄(ヒーロー)は、中国を代表する老舗万年筆メーカーです。1931年に創業し、長い歴史の中で、高品質で手頃な価格の万年筆を数多く生み出しています。また、1980年代にはパーカーと提携し、中国国内でパーカー万年筆の製造を請け負っていたこともあり、その技術力は広く認められています。

その影響もあってか、英雄616はパーカー51を彷彿させるデザインで、シンプルながらも洗練されたフォルムが特徴です。

商品の説明には、ペンポイントをイリジウムに交換して長刀風に研いでいるとあります。

定評ある中国のフーデットニブタイプ万年筆 英雄616を細い長刀風に。中国の工房店主が、一点一点手作業で研ぎ直しました。オリジナルから長刀風の研ぎ出し用にさらにペン先イリジウムがリチップ(交換)されています。

【引用】Amazon - 【稀少品】長刀風 漢字向け研ぎ出し 英雄616

ペン先はとても美しく研がれており、字幅はEF:極細字、F:細字、M:中字から選べます。

英雄616 長刀風研ぎ

しかし、ベースとなっている英雄616は非常に安価な万年筆であるため、万年筆としての基本性能、耐久性や品質に不安が残ります。「英雄616 長刀風研ぎ」のAmazonでの評価も割れています。さらにインクの充填方式がスポイト式コンバーターという点も悩ましいところです。カートリッジも使えません。


Hongdian(ホンディアン)イリジウム ロングブレード ニブ

Hongdian は、中国の万年筆メーカーで、Amazonで手頃な価格で高品質なモデルを多く展開しています。特に「Hongdian Black Forest(黒き森)」は、2万件以上のレビューを誇り、平均★4.5という高評価を得ています。

そして、Hongdianには、特殊な形状を持つ長刀風ペン先(ロングナイフ、ロングブレード ニブ)があります。また一部モデルには、安価な万年筆では珍しいイリジウム製ペンポイントやエボナイトフィードが採用されており、スムーズなインクの供給と書き味の向上が期待されます。

Hongdain N23 Hongdian N6

下表は、Amazonで見つけたHongdianの長刀風ペン先の万年筆の一覧です。

型番 カラー ニブ イリジウム エボナイト
フィード
コンバータ 字幅 mm
Hongdian N23 ブラック, ブルー ロングナイフ ⚪︎ ⚪︎ 0.5 - 1.0
Hongdian N8 レッド ロングナイフ ⚪︎ ⚪︎ ⚪︎ 0.5 - 1.0
Hongdian N8 スノーホワイト ロングナイフ ⚪︎ ⚪︎ 0.5 - 1.0
Hongdian A3 ブラック ロングブレード ⚪︎ ⚪︎ F: 0.7
Hongdian N6 ブラック ロングブレード ⚪︎ F: 0.7
Hongdian Black Forest ブラック ロングナイフ ⚪︎ 0.5 - 1.0

初めての中華万年筆ということもあって不安もありますが、以下の点から『Hongdian N8 ローズレッド』を選びました。

  • エボナイトフィードの魅力

    スムーズなインクフローへの期待も大きいですが、WANCHERの万年筆を購入したときに、渓流ニブではペン芯がエボナイトが選択できず、初のエボナイトフィードになるというのもポイントです

  • インク充填方式

    インク交換のしやすさを考えるとスポイト式ではなくコンバーター式です
    簡単なインク交換方法については「象と散歩: 万年筆のインク補充術:手を汚さず、コスパよく」を参考

  • 価格と性能のアンバランス

    特殊ニブの長刀風ペン先で且つペン先の素材がイリジウム、そしてエボナイトフィードの万年筆が5,000円以下というのは破壊的な価格です

デザインは二の次で、実用性を重視して選びました。


Hongdian N8 ローズレッド ロングナイフ ニブ

Hongdianのロングナイフ ニブは、非常に独特な形状が特徴です。ペンポイントは大きめで、風格があります。

Hongdian N8 Long Knife Nib wtih Ebonite Feed

WANCHERの渓流ニブと比べると、ペンポイントは若干小ぶりですが、それでも一般的な万年筆と比べれば十分に大きなサイズです。このサイズ感がもたらす柔らかな書き心地は、実際に試してみると驚きがあります。

Hongdian N8 Long Knife Nib wtih Ebonite Feed

ニブには寺院?のような刻印が施されており、エキゾチックなデザインが魅力を引き立てています。

Hongdian N8 Long Knife Nib wtih Ebonite Feed

こちらがエボナイトフィードです。見た目からではエボナイトなのかプラスチックなのかはわかりません、、。

Hongdian N8 Long Knife Nib wtih Ebonite Feed

アクリルの透明感のあるマーブル模様はキレイです。キャップのカエデも悪くはありません。

Hongdian N8 Long Knife Nib wtih Ebonite Feed

付属のコンバーターです。EU規格もよりも口が大きく内径3.4mmとあります。

Hongdian N8 Long Knife Nib wtih Ebonite Feed

なお、コンバーターは別売りもされており、カートリッジも利用可能です。さらに、キャップはスクリュー式で高い密閉性を実現しており、インクの乾燥を防いでくれます。そのため、しばらく使用しなくても問題なく筆記を再開できます。


Hongdian イリジウム ロングナイフ ニブの書き味

結果から先に言えば「期待以上の書き味」です。滑らかなインクフローと、ペン先の個性的な形状により、線に息吹を与え表現力が生まれます。

渓流ニブの滑らかな書き味には驚愕でしたが、Hongdianのイリジウム ロングナイフ ニブは、渓流ニブに及ばないものの、この価格でこの書き味には驚きました。

写真でも比較した通り、ペンポイントの大きさは渓流ニブほどではありません。しかし、この控えめなサイズが、普段使いの万年筆としての適度なダイナミックさを生み出しています。それでも、一般的なペン先と比べれば非常に表現力が豊かで、手書き文字に個性的な味わいを与えることができます。

Hongdian N8 Long Knife Nib wtih Ebonite Feed

字幅は0.5mmから1mmとありますが、中字から太字程度の印象です。以下にイリジウム ロングナイフ ニブの特徴をまとめます。

  • 線の太さをコントロール可能

    ペンの角度を調整するだけで、線幅を変化させることができます

  • 日本語との相性がよい

    横線が太く縦線が細い特性が、日本語のとめ、はね、はらいを美しく表現します

  • 滑らかな書き味

    インクフローが安定していて、ストレスなく筆記できます

  • 柔軟性はない

    鉄ニブ(スチール製)のため、柔らかさやしなりはありません

セーラーの長刀ニブ、ワンチャーの渓流ニブなどと同等の書き味は期待できませんが、特殊ニブとして非常に高い完成度を誇り、価格以上の価値を感じることができます。


まとめ

中華万年筆のHongdian N8 ローズレッド ロングナイフ ニブは、特殊ニブを搭載しながら5,000円以下という圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。イリジウムペンポイントやエボナイトフィードといったスペックには驚きますが、滑らかな書き味を実際に体感すると、この価格帯では考えられない満足感があります。

長刀ニブ、渓流ニブ、小太刀ニブといった日本語に特化した特殊ニブに興味はあるけど手が出せないけど、雰囲気を味わいたいという方にはオススメです。

中国からの発送なので注文してから8日後に届きました。追跡ができるので気長に待ちましょう。

Post Date:2024年11月24日 

WANCHERの渓流ニブが描く新たな万年筆の世界

WANCHER 峰万年筆 - 渓流ニブ

軟調ペンからセーラー万年筆の日本語のためのペン先である長刀研ぎに興味を持ちました。しかし、今日日あまりにも高価で手が出ません。そんなときに出会ったのが、WANCHERの渓流ニブです。

渓流ニブは、日本の伝統と革新を融合した万年筆ブランドWANCHER(ワンチャー)のオリジナルペン先で、最終的な仕上げはペン先職人である長原幸夫氏によって行われています。長原氏はセーラーで長刀研ぎを復活させた故長原宣義氏のご子息で、同じく元セーラーの万年筆職人であり、現在はThe Nib Shaperとして活躍されています。

渓流ニブは、スチールニブなので軟らかいペン先ではありませんが、渓流のような柔らかな流れを筆跡に宿し、その独自の書き味は、日本語の美しさと表現力を際立たせてくれます。

渓流ニブを購入すると下記のカードが同梱されています。

WANCHER - KEIRYU / 渓流ニブ

渓流ニブとは?その独自性と特徴

多くの万年筆では、ペンポイントは半球形に仕上げられており、どの方向からも均一な線を引けるようにデザインされています。この形状は滑らかな書き心地を提供する一方で、線の強弱や表現力には限界があります。

一方、セーラー万年筆の長刀研ぎ(なぎなたとぎ)は、ペンポイントが長刀のように斜めに研ぎ上げられており、筆圧やペン先の角度によって線幅を大きく変化させる特徴があります。縦線を太く、横線を細く書くなど、日本語特有の書字美を追求した設計が施されています。

長刀研ぎ
【引用】Amazon - セーラー万年筆 長刀研ぎ

渓流ニブは、一般的な万年筆のペンポイントと長刀研ぎの中間的な形状です。ペンポイントはとても大きく、ペン先の先端は長刀研ぎほど鋭利ではありませんが、一般的なペンポイントよりも細長く研ぎ上げられています。また、ペンポイント全体がわずかに湾曲しており、この微妙なカーブが線の滑らかな流れを生み出す要因となっています。

WANCHER - KEIRYU / 渓流ニブ

裏から見ると刀というよりは山のようにもっこりとしています。

WANCHER - KEIRYU / 渓流ニブ

この形状により、渓流ニブはスチールニブでありながら、ペン先の角度や筆圧によって線の太さに抑揚をつけることができます。特に、漢字の「ハライ」「トメ」「ハネ」といった線の強弱が美しく表現され、文字に動きと立体感をもたらします。

長刀研ぎは使ったことがないのでわかりませんが、渓流ニブはスチール製のため金ニブほどの柔軟性はありませんが、職人の丹念な調整により、硬いスチールでも適度な柔軟性を持たせて「静かで滑らかな変化」を実現しています。


渓流ニブの書き味

渓流ニブの書き味は、軟調ペンのように筆圧によるダイナミックな線の変化とは異なり、より穏やかで優しい変化が特徴です。ペン先の角度や筆圧に応じて、繊細な線の強弱を表現することができます。

WANCHERの渓流ニブのページには「水面をすべるアメンボのように」スーと線が引けるとありますが、潤沢なインクフローと職人よって研ぎ澄まされたペン先で、紙の上を滑るように静かでスムーズな書き心地を実現しています。

字幅は太字程度で、小さな文字を書くよりも、中字からやや大きめの文字を書く際にその特性が最大限に発揮されます。漢字の「ハライ」や「トメ」など、筆致の美しさを求める文字に特に適しています。

渓流ニブの書き味についての動画もあります。


WANCHERの万年筆を選ぶ

渓流ニブを手に入れるには、以下の2つの方法があります。

  • WANCHERの万年筆に渓流ニブをカスタマイズ
    WANCHERの15,000円以上の万年筆(一部対象外)を購入し、追加料金7,700円(税込)で渓流ニブを選択できます。
  • 交換用ニブとして購入
    楽天やAmazonのWANCHER公式ストアで、交換用渓流ニブを9,350円(税込)で購入できます。 JOWO #6ニブの「世界樹 / カレイド」と交換できるので、価格を抑えて渓流ニブ万年筆が手に入ります。

峰万年筆もニブを外すことができます。

WANCHER - KEIRYU / 渓流ニブ

「世界樹万年筆 黒檀(エボニー)」に交換用ニブとして渓流ニブを購入することを検討していました。しかし、エボナイト素材に強く惹かれ、最終的には「ドリームペン/夢万年筆 -峰- 誠エボナイト」のマーブルパープルグレーを選びました。

完全に予算オーバーです、、。


エボナイトとは

エボナイトは、天然ゴムに硫黄を加えて加熱することで得られる、硬くて光沢のある素材です。かつては万年筆の軸材として広く使用されていました。しかし、より簡単に扱える樹脂素材が主流となる一方で、エボナイト特有の美しい光沢や温かみのある感触は多くの万年筆愛好家を惹きつけています。

WANCHER 峰万年筆 - 渓流ニブ

峰万年筆・マーブルパープルグレー

エボナイト軸の「誠エボナイト」はバランス型のデザインですが、峰万年筆は両端が平らなベスト型です。キャップ上部の突起(これが「峰」?)は、このモデルだけの特徴的なデザインです。

WANCHER 峰万年筆 - 渓流ニブ

峰万年筆のコンセプトは下記のようにあります。

この万年筆は成功への旅を意味し、一歩一歩高みへと続いていくイメージを元にデザインされています。キャップ上部の突起は私たちが目指す成功の頂を示しているのです。 「峰」という字は一般的に山の一番高いところを意味しますが、転じて技術や栄誉といった様々なもので頂点を極めたことへの比喩としても使われます。

人生の中において、世界の見方を変えるような地点に到達したいという願いをこめて、元々フラットだったキャップ上部を変更して今のデザインになりました。

【引用】峰万年筆 | Wancherpen Japan

峰万年筆は、マーブルパープルグレーマーブルグリーンの2色があります。前者は落ち着いた知性を感じさせる色合い、後者は自然の調和と生命力を思わせる鮮やかなグリーンが特徴です。

桐の箱に収められ、かなり仰々しい梱包なので開封の儀が恥ずかしい、、。

WANCHER 峰万年筆 - 渓流ニブ

コンバーターも付属しています。

WANCHER 峰万年筆 - 渓流ニブ

まとめ

WANCHERの渓流ニブは、日本の万年筆文化の伝統と革新が見事に融合した一品です。セーラーの長刀研ぎにインスパイアされつつも独自の形状を持ち、スチールニブでありながら日本語特有の線の抑揚を表現できる優れたパフォーマンスを提供します。職人の手による丹念な仕上げが、ペン先の滑らかな書き心地を実現し、使い手の筆跡に柔らかく美しい流れを生み出します。

また、渓流ニブのペン先を更にシャープに研いだ小太刀(こだち研ぎ)というオプションもあります。小太刀には細字、中字、太字の3種類があります。渓流ニブでは小さな字をかけませんので、ノートなどで使うのであれば、細字や中字が力を発揮します。

渓流ニブはWANCHERのブランド哲学を体現する特別なペン先です。このペン先は手書きの世界を広げてくれます。WANCHERの万年筆を手に取り、ペン先が生む新たな書き心地をぜひ体感してみてください。

スチールペンも侮れません。小太刀研ぎにも興味津々です、、。

Post Date:2024年11月16日 

プチかわいい万年筆の大きな世界:PuChiCoの魅力

WANCHER/1xOnexWan ぷちこ/PuChiCo フロスティセピア/Frosty Sepia

日々のひらめきやアイデアを書き留めるには、ポケットに忍び込ませられる名刺サイズのジョッターメモパッドと手のひらサイズの万年筆「PuChiCo」が最適です。6.5cmのコンパクトなボディながら、本格的な書き心地を提供するこの万年筆は、持ち運びやすさと機能性を兼ね備えています。

そんなユニークな製品を生み出すのは、大分発の筆記具ブランドWANCHER(ワンチャー)。伝統と革新のバランスを大切にし、書き手の個性や感性に寄り添った製品づくりに取り組んでいます。

PuChiCoは、このWANCHERが手頃な価格で魅力的な商品を届けるために生んだサブブランド「1 x One x Wan」(ワンバイワンバイワン)のラインナップの一つです。


PuChiCoはプチ可愛いけど実力派

まず、見た目がなんとも「プチ可愛い」。全長わずか65mmで、キャップをポストしても87.3mmというミニサイズです。小さくて手のひらにすっぽり収まるため、どこにでも気軽に持ち運べるのが魅力。カラーバリエーションも豊富で、透け感のあるデザインが楽しめますが、インクの色が透けるため、ブラックやブルーブラックなどを使うなら、色が透けない「ペンギンブラック」や、透明色の「フロスティセピア」がおすすめです。

PuChiCo ペンギンブラック
【引用】Amazon Wancher公式 / PuChiCo ペンギンブラック

写真は、フロスティセピア(Amazon 公式ショップにはなく、楽天公式ショップで購入)にブルーブラックのインクを注入しています。

WANCHER/1xOnexWan ぷちこ/PuChiCo フロスティセピア/Frosty Sepia

小さなボディにもかかわらず、PuChiCoは実用性をしっかりと備えています。ペン先は通常の万年筆と同じ大きさで、本格的な書き味を楽しめます。字幅はF(細字)とEF(極細)から選べます。ボディが小さく力を入れて書くのは難しそうなので、F(細字)にしました。

WANCHER/1xOnexWan ぷちこ/PuChiCo フロスティセピア/Frosty Sepia

PuChiCoは構造をシンプルにするためにアイドロッパー式を採用しています。アイドロッパー式は、ペンの軸部分に直接インクを注ぎ入れる方式です。

PuChiCoのように短い同軸でも多くのインクが入るのが利点です。インクを注入するためにスポイトが付属していますが、

WANCHER/1xOnexWan ぷちこ/PuChiCo フロスティセピア/Frosty Sepia

象と散歩: 万年筆のインク補充術:手を汚さず、コスパよくで紹介しているシリンジ(注射器)であれば他の万年筆でも使えます。

インク漏れを心配しましたが、いままでインクが漏れたことはありません。気圧の変化が大きい飛行機の機内でも大丈夫でした。

PuChiCoは見た目に反して、万年筆としての基本をしっかりと押さえ、スムーズなインクフローと安定した書き心地を提供してくれる、まさに「プチ可愛いけど実力派」の万年筆です。


PuChiCoの持ち方

万年筆は通常、寝かせて持つ方が書きやすいですが、PuChiCoはキャップをポストしても全長87.3mmと短めです。そのため、やや立て気味に持ち、人差し指側に少し寄せることで、ちょうど良く握れるサイズ感となります。また、このように立てて書くこともあいなり、<F:細字>でもかなり細めの字幅となります。

WANCHER/1xOnexWan ぷちこ/PuChiCo フロスティセピア/Frosty Sepia

長時間書くには不向きですが、感じたことを直ぐに記録するためには最高の筆記具です。また、ブラン・クチュール ジョッターメモパッド 名刺サイズのために作られたのではないかと思うほど、ふたつのサイズ感と相性は抜群です。

WANCHER/1xOnexWan ぷちこ/PuChiCo フロスティセピア/Frosty Sepia

PuChiCoの最大の難点は、キャップの尻軸への差し込むときに、しっかりとハメないと、書いている途中で"キャップが外れてしまう"="書けなくなる"ことです。アタシェ マーブル万年筆のように、キャップポスト部がねじ式であれば、キャップとボディがしっかりと連結できます。しかし、安定性は増しますが、書き始めるまでにひと手間かかります。また見た目の問題もあります。

アタシェ マーブル 万年筆
【引用】Amaon - アタシェ マーブル 万年筆

ちなみに、アタシェ マーブル万年筆の全長は10.3cmとPuChiCoよりも大きいですが、デザインも似ているので、そこまで小さくなくてもと思うのであれば選択肢のひとつになるかもしれません。


PuChiCoを持ち歩こう

PuChiCoには専用のチャーム付きプチペンケース「PuChiCo用ファーケース」が用意されています。裸でポケットに入れるのも気が引けたので、専用ペンケースを一緒に購入しました。モカベージュの色は上品で素敵ですが、チャーム(飾り)付きで、全体的にかなり女子しています。

PuChiCo用ファーケース

ケースのサイズは90.4×30.6mmで、PuChiCoを最大2本まで収納可能とありますが、サイズ的にはあまり可愛くない。ポケットではなくポーチやバッグに入れるペンケースです。

何度か使ってみたものの、サイズ感がしっくりこなかったため、よりコンパクトなコインケースや印鑑ケースをペンケース代わりにできないか探してみました。

RafiCaroのコインケースは、MとSサイズがあり、Sサイズは、長さが7.5cmとこぶりです。

RafiCaro コインケース
【引用】Amazon - RafiCaroコインケース

Sサイズの収納品の推奨サイズは長さ5cm以下です。PuChiCoの長さは6.5cmですが、直径は2.2cmもないので、Sサイズに入るだろうと購入しましたが、「PuChiCoのためのケースなの?」というぐらいピッタリで、最強の組み合わせとなりました。

RafiCaroコインケースSサイズ

専用ケースと比べてみてもかなり小さくポケットサイズです。

PuChiCoファーケースとRafiCaroコインケース

まとめ:PuChiCoで広がる手のひらサイズの世界

6.5cm 手のひらサイズは、他の万年筆とは一線を画す存在感と機能性を持ち合わせています。携帯性と実用的な機能性を備えたこの万年筆は、象と散歩: 小さいが正義? ブランクチュール 名刺サイズのジョッターメモパッドで紹介した「いつでもどこでもメモを。」という名刺サイズのジョッターだけでは実現できない世界を広げてくれました。

持ち運びには、RafiCaroのコインケースを使うば、専用ケース以上のフィット感があり、PuChiCoの携帯性を損ないません。

日常のどんなシーンにも手軽に持ち運べる「ブラン・クチュール ジョッターメモパッド」と「PuChiCo」をいつでもどこにでも連れっていってください。

小さいが正義? ブランクチュール 名刺サイズのジョッターメモパッド

PuChoCo!?

PuChiCoについて書いていたら、WANCHERがインスタでPoChaCo(ポチャコ)をアップ!

PuChiCoとPoChoCoを比較するとこれだけ違います。

PoChoCoとPuChiCoの比較
【引用】Wancher楽天公式 - PoChoCo・クリスタルクリア

まだ小さい万年筆の部類ですが、かなり実用的なサイズに仕上がっています。

PoChaCo(ポチャコ)PuChiCo(プチコ)
長さ(収納時)108mm65mm
長さ(使用時)131mm87.3mm
太さ(最大)22mm13mm
重さ38g9g

PoChoCoは3種類、ミルキーマーブルとブラックチョコオレンジは、アイドロップ式とカートリッジ式を選択できますが、クリスタルクリアはアイドロップ式のみです。

『大人になったPuChiCo』、ちょっと欲しいかも。

象と散歩:人気の投稿(過去7日間)