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Post Date:2025年9月13日 

普段使いの一本に+表現力 ― PILOT エラボー

PILOT ELABO 樹脂軸 細軟

Custom 743 FA(フォルカン)を購入して、「次のELABO(エラボー)で、軟調ペン先は最後にしよう」と考えていました。

そんな折、PILOTが2025年10月1日から価格改定を行うというニュースが入り、エラボー(樹脂軸)も6,000円の値上げ対象に。

現在発売されているエラボーは3代目で、2009年に登場しました。発売当初の価格は 18,000円(税別)で、2024年の価格改定まで15年間も価格は据え置かれていました。

しかしそこからわずか2年の間に3度の価格改定が行われ、2025年10月1日に 32,000円(税別)、税込では35,200円となります、、。

3代目エラボー価格遷移
税抜 消費税率 税込
2009年 3代目エラボー 18,000円 5% 18,900円
2014年04月01日 18,000円 8% 19,440円
2019年10月01日 18,000円 10% 19,800円
2024年01月01日 22,000円 10% 24,200円
2024年10月01日 26,000円 10% 28,600円
2025年10月01日 32,000円 10% 35,200円

値上げ前のいまをチャンスと捉え、思い切ってエラボーを駆け込みで手に入れました。


PILOT ソフト調ニブの系譜

PILOTは「ソフトニブ」と呼ばれる軟調ペン先を多数ラインナップしています。

代表的なのは SF(細字軟)・SFM(中細字軟)・SM(中字軟) といったタイプで、通常のペン先にクッション性のある『しなやかさ』を加えた設計になっています。

軟らかすぎないため、普段の筆記や長時間の使用にも最適で、扱いやすい軟調ニブです。

一方で、FA(Falcon nib)エラボー専用ニブ は、筆圧を加えることでペン先が大きくしなり、細字から太字まで自在に変化させることができます。

「はね・はらい・とめ」といった毛筆的な表現を得意とし、通常のソフト調ニブよりもはるかに豊かな表現力を発揮します。


パイロット軟調ペン先(SF・SFM・SM)の特徴

パイロットの軟調ペン先(SF・SFM・SMなど)は、基本的な形状は通常のニブと同じですが、わずかに柔らかさを加えた設計になっています。

Custom74/742/743、Custom Heritage 912 などで選択できます。

PILOTソフト調のペン種

フォルカンやエラボーのように大きくしなるわけではなく、柔らかいタッチで心地よい筆記感が魅力です。字幅のバリエーションも豊富で、細字から中字、太字まで用途に合わせて選びやすく、日常的な筆記に適しています。

ダイナミック表現力を求めるというよりは、普段の書き心地をより快適にしたい人にぴったりの選択肢です。

さらに、ペン先が適度にしなることで長時間の筆記でも手が疲れにくく、手紙やノート、仕事での使用にも安心して使える点が評価されています。

つまり、パイロットのソフトニブは「表現力」よりも「心地よさ」を重視する人にとって、最も扱いやすい軟調ペン先だと言えます。

金ペン軟調万年筆については下記の記事をご覧ください。


FA(フォルカン)ニブの特徴(Custom 743/742など)

フォルカンは、Custom 743では15号、742では10号という大きなサイズのペン先を持ち、しなり幅が非常に大きいのが特徴です。

ペン先に字幅のバリエーションはなく、筆圧によって細字から太字まで自在に操ることができます。「はね」「はらい」「とめ」といった毛筆のような表現を得意とし、文字に力強さや抑揚を与えることができます。

一方で、インクフローが非常に豊かであるため、紙質によってはにじみや裏抜けが起こりやすい点には注意が必要です。

また、表現力の高さは大きな魅力ですが、日常の細かいメモや長時間の筆記では扱いにくさを感じることもあります。

フォルカンは、実用性よりも表現力を優先する書き手に向いた、個性的なペン先です。

Custom 743 FAニブ(フォルカン)についてのレビューはこちらをご覧ください。


エラボーの特徴

エラボーには金属軸と樹脂軸の2種類がありますが、どちらもエラボー専用に設計されたニブで同じものを備えています。

エラボーは、フォルカンほど大きなしなりはなく、柔らかさはやや控えめですが、その分コントロールしやすく安定感のある書き味が特徴です。

字幅のバリエーションも豊富で、SEF(極細)・SF(細字)・SM(中字)・SB(太字) の中から用途や好みに合わせて選ぶことができます。

普段使いで安定した筆記を保ちながら、必要なときには文字に表現力を加えることができるため、日常と表現性をバランスよく両立できる一本といえるでしょう。

また、フォルカンに比べて扱いやすいため、初心者から中級者まで幅広い層におすすめできるのも魅力です。

エラボーは、ソフトニブとフォルカンの中間的な位置付けにあり、実用性と表現力の両方を求める人にとって最適な選択肢となります。


エラボーのペン先形状

エラボーのペン先は、その形状に大きな特徴があります。海外ではファルコン(はやぶさ)という名前で販売されていますが、根本から先端にかけて大きく湾曲していて、中程で隆起する、猛禽のクチバシのような独特の形状に加工されています。

PILOT ELABO 樹脂軸 細軟のペン先

ペン芯はフラットで櫛溝がないのが特徴です。

PILOT ELABO 樹脂軸 細軟のペン芯

筆圧を加えるとニブがしなるように開き、細字から太字まで滑らかに変化させることができ、毛筆のような抑揚ある筆跡を生み出します。

さらに、中央の切り割り(スリット)が通常のペン先よりも長く設計されている点も特徴的です。この長いスリットによって柔軟性が高まり、軽い力でも『しなり』やすくなっています。

PILOT ELABO 樹脂軸 細軟のスリット

ただし、フォルカンほどの極端な動きではなく、適度な抑えが効いているため、安定した書き味を保てるのがエラボーならではの魅力です。

フォルカンとの比較です。同じしなりを作り出すニブですが形状は大きく異なります。

FAニブとELABOの比較

実際にエラボーを使ってみて(レビュー)

エラボーの第一印象は「華奢?」というものでした。他のパイロットの万年筆と比べると、やや細く短く、握った感触もスリムに感じます。

万年筆軸径長さ重さ
ELABOφ14.4mm137mm18.0g
Custom74φ14.7mm143mm17.4g
Custom Heritage912φ15.7mm137mm20.0g
Custom 743φ15.7mm149mm25.0g

特にフォルムが似ているCustom Heritage912と比べるとかなり痩せっぽちです。

Custom Heritage 912 と ELABO の比較

肝心の書き味ですが、フォルカンはしなり幅が大きく、筆圧のコントロール次第で線が劇的に変化します。一方エラボーは、そのダイナミックさが抑えられており、「しなるけれど書きやすい」万年筆という印象です。

また、軟調ペン先のSM(中字軟)と比べると、エラボーには明確なしなりがあり、字に表現力を加えられます。

フォルカンやソフトニブと比べると、エラボーの魅力は「柔らかさ」「表現力の幅」「扱いやすさ」のバランスにあります。

軽く筆圧を加えると線に表情が生まれますが、フォルカンほどの大きな変化ではなく、安心してコントロールできる範囲に収まっています。

インクフローも過剰ではなく安定しており、長時間の筆記でも疲れにくいのは大きな利点です。

フォルカンが「豊かな表現力を発揮する一本」だとすれば、エラボーは「日常の筆跡に静かな彩りを添える一本」と言えるでしょう。

エラボーは、手帳やノートなど、細かい字を多く書く毎日の筆記にピッタリです。


どんな人におすすめか

エラボーは、万年筆らしい「筆圧をかけない書き方」ができないと扱いづらさを感じる万年筆です。そのため、まったくの初心者よりも、ある程度万年筆に慣れた人に適しています。

ただし、金ペンの価格高騰を踏まえると、万年筆デビューをエラボーで飾るという選択肢も十分に考えられます。その場合は、まず「万年筆の正しい持ち方」を意識することから始めてください。

ソフトニブ以上にニュアンスを表現できる一方で、フォルカンほど大きなしなりはないため、ノートや手帳など日常の筆記で自然に文字に味わいを加えられるのが魅力です。

また、「フォルカン(FAニブ)が気になるけれど、自分に使いこなせるかが不安」という人にとって、適度な表現力で扱いやすいエラボーは最適な選択肢です。


万年筆の持ち方

筆圧をかけない書き方をするには、万年筆を軽く持つことが大切です。強く握るのではなく、人差し指と親指で軽く支えるのが正しい持ち方です。

万年筆の持ち方をGPT5で生成してみました。

万年筆の正しい持ち方
Created by GPT5
  1. 手の力を抜いて手首を90°にする
  2. 中指の横腹親指と人差し指の間に万年筆をバランスよく乗せる
  3. ペン先の刻印は上向きになるように
  4. 親指人差し指で軽く支える
  5. ペン先が紙に触れるまで、手首を内側に曲げる

書道家の大江静芳氏の動画を参考に、万年筆の正しい持ち方を身につけましょう。


まとめ 〜普段使いの一本に+表現力〜

Custom 743 FAのようなダイナミックな表現力も魅力的ですが、エラボーは日常に優しく彩りを添えてくれます。今回は手帳用の万年筆として細字を選んだため、字幅の変化はさらに控えめに感じます。

ELABOの筆致

まさに「普段使いの一本に+表現力」という言葉がふさわしい存在だと感じました。

ソフトニブよりも一歩深い表現を楽しみたい人、フォルカンほどのクセは要らないけれど柔らかさを求めたい人にとって、エラボーはちょうど良い答えになるでしょう。

普段使いの一本にさりげない表現力を加えてくれる ーー それがPILOT ELABO(エラボー)です。

Post Date:2024年11月24日 

WANCHERの渓流ニブが描く新たな万年筆の世界

WANCHER 峰万年筆 - 渓流ニブ

軟調ペンからセーラー万年筆の日本語のためのペン先である長刀研ぎ(なぎなたとぎ)に興味を持ちました。しかし、今日日あまりにも高価で手が出ません。そんなときに出会ったのが、WANCHERの渓流ニブです。

渓流ニブは、日本の伝統と革新を融合した万年筆ブランドWANCHER(ワンチャー)のオリジナルペン先で、最終的な仕上げはペン先職人である長原幸夫氏によって行われています。長原氏はセーラーで長刀研ぎを復活させた故長原宣義氏のご子息で、同じく元セーラーの万年筆職人であり、現在はThe Nib Shaperとして活躍されています。

渓流ニブは、スチールニブなので軟らかいペン先ではありませんが、渓流のような柔らかな流れを筆跡に宿し、その独自の書き味は、日本語の美しさと表現力を際立たせてくれます。

渓流ニブを購入すると下記のカードが同梱されています。

WANCHER - KEIRYU / 渓流ニブ

渓流ニブとは?その独自性と特徴

多くの万年筆では、ペンポイントは半球形に仕上げられており、どの方向からも均一な線を引けるようにデザインされています。この形状は滑らかな書き心地を提供する一方で、線の強弱や表現力には限界があります。

一方、セーラー万年筆の長刀研ぎ(なぎなたとぎ)は、ペンポイントが長刀のように斜めに研ぎ上げられており、筆圧やペン先の角度によって線幅を大きく変化させる特徴があります。縦線を太く、横線を細く書くなど、日本語特有の書字美を追求した設計が施されています。

長刀研ぎ
【引用】Amazon - セーラー万年筆 長刀研ぎ

渓流ニブは、一般的な万年筆のペンポイントと長刀研ぎの中間的な形状です。ペンポイントはとても大きく、ペン先の先端は長刀研ぎほど鋭利ではありませんが、一般的なペンポイントよりも細長く研ぎ上げられています。また、ペンポイント全体がわずかに湾曲しており、この微妙なカーブが線の滑らかな流れを生み出す要因となっています。

WANCHER - KEIRYU / 渓流ニブ

裏から見ると刀というよりは山のようにもっこりとしています。

WANCHER - KEIRYU / 渓流ニブ

この形状により、渓流ニブはスチールニブでありながら、ペン先の角度や筆圧によって線の太さに抑揚をつけることができます。特に、漢字の「ハライ」「トメ」「ハネ」といった線の強弱が美しく表現され、文字に動きと立体感をもたらします。

長刀研ぎは使ったことがないのでわかりませんが、渓流ニブはスチール製のため金ニブほどの柔軟性はありませんが、職人の丹念な調整により、硬いスチールでも適度な柔軟性を持たせて「静かで滑らかな変化」を実現しています。

Wancher公式YouTubeの「Keiryu Nib Review:渓流ニブのレビュー」では、セーラー万年筆の長刀研ぎとWancherの渓流ニブのペンポイントの形状の違いが紹介されています。また渓流ニブでどんな字が書けるのかがイメージできます。


渓流ニブの書き味

渓流ニブの書き味は、軟調ペンのように筆圧によるダイナミックな線の変化とは異なり、より穏やかで優しい変化が特徴です。ペン先の角度や筆圧に応じて、繊細な線の強弱を表現することができます。

WANCHERの渓流ニブのページには「水面をすべるアメンボのように」スーと線が引けるとありますが、潤沢なインクフローと職人よって研ぎ澄まされたペン先で、紙の上を滑るように静かでスムーズな書き心地を実現しています。

字幅は太字程度で、小さな文字を書くよりも、中字からやや大きめの文字を書く際にその特性が最大限に発揮されます。漢字の「ハライ」や「トメ」など、筆致の美しさを求める文字に特に適しています。

渓流ニブの書き味についての動画もあります。


WANCHERの万年筆を選ぶ

渓流ニブを手に入れるには、以下の2つの方法があります。

  • WANCHERの万年筆に渓流ニブをカスタマイズ
    WANCHERの15,000円以上の万年筆(一部対象外)を購入し、追加料金7,700円(税込)で渓流ニブを選択できます。
  • 交換用ニブとして購入
    楽天やAmazonのWANCHER公式ストアで、交換用渓流ニブを9,350円(税込)で購入できます。 JOWO #6ニブの「世界樹 / カレイド」と交換できるので、価格を抑えて渓流ニブ万年筆が手に入ります。

峰万年筆もニブを外すことができます。

WANCHER - KEIRYU / 渓流ニブ

「世界樹万年筆 黒檀(エボニー)」に交換用ニブとして渓流ニブを購入することを検討していました。しかし、エボナイト素材に強く惹かれ、最終的には「ドリームペン/夢万年筆 -峰- 誠エボナイト」のマーブルパープルグレーを選びました。

完全に予算オーバーです、、。


エボナイトとは

エボナイトは、天然ゴムに硫黄を加えて加熱することで得られる、硬くて光沢のある素材です。かつては万年筆の軸材として広く使用されていました。しかし、より簡単に扱える樹脂素材が主流となる一方で、エボナイト特有の美しい光沢や温かみのある感触は多くの万年筆愛好家を惹きつけています。

WANCHER 峰万年筆 - 渓流ニブ

峰万年筆・マーブルパープルグレー

エボナイト軸の「誠エボナイト」はバランス型のデザインですが、峰万年筆は両端が平らなベスト型です。キャップ上部の突起(これが「峰」?)は、このモデルだけの特徴的なデザインです。

WANCHER 峰万年筆 - 渓流ニブ

峰万年筆のコンセプトは下記のようにあります。

この万年筆は成功への旅を意味し、一歩一歩高みへと続いていくイメージを元にデザインされています。キャップ上部の突起は私たちが目指す成功の頂を示しているのです。 「峰」という字は一般的に山の一番高いところを意味しますが、転じて技術や栄誉といった様々なもので頂点を極めたことへの比喩としても使われます。

人生の中において、世界の見方を変えるような地点に到達したいという願いをこめて、元々フラットだったキャップ上部を変更して今のデザインになりました。

【引用】峰万年筆 | Wancherpen Japan

峰万年筆は、マーブルパープルグレーマーブルグリーンの2色があります。前者は落ち着いた知性を感じさせる色合い、後者は自然の調和と生命力を思わせる鮮やかなグリーンが特徴です。

桐の箱に収められ、かなり仰々しい梱包なので開封の儀が恥ずかしい、、。

WANCHER 峰万年筆 - 渓流ニブ

コンバーターも付属しています。

WANCHER 峰万年筆 - 渓流ニブ

まとめ

WANCHERの渓流ニブは、日本の万年筆文化の伝統と革新が見事に融合した一品です。セーラーの長刀研ぎにインスパイアされつつも独自の形状を持ち、スチールニブでありながら日本語特有の線の抑揚を表現できる優れたパフォーマンスを提供します。職人の手による丹念な仕上げが、ペン先の滑らかな書き心地を実現し、使い手の筆跡に柔らかく美しい流れを生み出します。

また、渓流ニブのペン先を更にシャープに研いだ小太刀(こだち研ぎ)というオプションもあります。小太刀には細字、中字、太字の3種類があります。渓流ニブでは小さな字をかけませんので、ノートなどで使うのであれば、細字や中字が力を発揮します。

渓流ニブはWANCHERのブランド哲学を体現する特別なペン先です。このペン先は手書きの世界を広げてくれます。WANCHERの万年筆を手に取り、ペン先が生む新たな書き心地をぜひ体感してみてください。

スチールペンも侮れません。小太刀研ぎにも興味津々です、、。

Post Date:2024年11月16日 

プチかわいい万年筆の大きな世界:PuChiCoの魅力

WANCHER/1xOnexWan ぷちこ/PuChiCo フロスティセピア/Frosty Sepia

日々のひらめきやアイデアを書き留めるには、ポケットに忍び込ませられる名刺サイズのジョッターメモパッドと手のひらサイズの万年筆「PuChiCo」が最適です。6.5cmのコンパクトなボディながら、本格的な書き心地を提供するこの万年筆は、持ち運びやすさと機能性を兼ね備えています。

そんなユニークな製品を生み出すのは、大分発の筆記具ブランドWANCHER(ワンチャー)。伝統と革新のバランスを大切にし、書き手の個性や感性に寄り添った製品づくりに取り組んでいます。

PuChiCoは、このWANCHERが手頃な価格で魅力的な商品を届けるために生んだサブブランド「1 x One x Wan」(ワンバイワンバイワン)のラインナップの一つです。


PuChiCoはプチ可愛いけど実力派

まず、見た目がなんとも「プチ可愛い」。全長わずか65mmで、キャップをポストしても87.3mmというミニサイズです。小さくて手のひらにすっぽり収まるため、どこにでも気軽に持ち運べるのが魅力。カラーバリエーションも豊富で、透け感のあるデザインが楽しめますが、インクの色が透けるため、ブラックやブルーブラックなどを使うなら、色が透けない「ペンギンブラック」や、透明色の「フロスティセピア」がおすすめです。

PuChiCo ペンギンブラック
【引用】Amazon Wancher公式 / PuChiCo ペンギンブラック

写真は、フロスティセピア(Amazon 公式ショップにはなく、楽天公式ショップで購入)にブルーブラックのインクを注入しています。

WANCHER/1xOnexWan ぷちこ/PuChiCo フロスティセピア/Frosty Sepia

小さなボディにもかかわらず、PuChiCoは実用性をしっかりと備えています。ペン先は通常の万年筆と同じ大きさで、本格的な書き味を楽しめます。字幅はF(細字)とEF(極細)から選べます。ボディが小さく力を入れて書くのは難しそうなので、F(細字)にしました。

WANCHER/1xOnexWan ぷちこ/PuChiCo フロスティセピア/Frosty Sepia

PuChiCoは構造をシンプルにするためにアイドロッパー式を採用しています。アイドロッパー式は、ペンの軸部分に直接インクを注ぎ入れる方式です。

PuChiCoのように短い同軸でも多くのインクが入るのが利点です。インクを注入するためにスポイトが付属していますが、

WANCHER/1xOnexWan ぷちこ/PuChiCo フロスティセピア/Frosty Sepia

象と散歩: 万年筆のインク補充術:手を汚さず、コスパよくで紹介しているシリンジ(注射器)であれば他の万年筆でも使えます。

インク漏れを心配しましたが、いままでインクが漏れたことはありません。気圧の変化が大きい飛行機の機内でも大丈夫でした。

PuChiCoは見た目に反して、万年筆としての基本をしっかりと押さえ、スムーズなインクフローと安定した書き心地を提供してくれる、まさに「プチ可愛いけど実力派」の万年筆です。


PuChiCoの持ち方

万年筆は通常、寝かせて持つ方が書きやすいですが、PuChiCoはキャップをポストしても全長87.3mmと短めです。そのため、やや立て気味に持ち、人差し指側に少し寄せることで、ちょうど良く握れるサイズ感となります。また、このように立てて書くこともあいなり、<F:細字>でもかなり細めの字幅となります。

WANCHER/1xOnexWan ぷちこ/PuChiCo フロスティセピア/Frosty Sepia

長時間書くには不向きですが、感じたことを直ぐに記録するためには最高の筆記具です。また、ブラン・クチュール ジョッターメモパッド 名刺サイズのために作られたのではないかと思うほど、ふたつのサイズ感と相性は抜群です。

WANCHER/1xOnexWan ぷちこ/PuChiCo フロスティセピア/Frosty Sepia

PuChiCoの最大の難点は、キャップの尻軸への差し込むときに、しっかりとハメないと、書いている途中で"キャップが外れてしまう"="書けなくなる"ことです。アタシェ マーブル万年筆のように、キャップポスト部がねじ式であれば、キャップとボディがしっかりと連結できます。しかし、安定性は増しますが、書き始めるまでにひと手間かかります。また見た目の問題もあります。

アタシェ マーブル 万年筆
【引用】Amaon - アタシェ マーブル 万年筆

ちなみに、アタシェ マーブル万年筆の全長は10.3cmとPuChiCoよりも大きいですが、デザインも似ているので、そこまで小さくなくてもと思うのであれば選択肢のひとつになるかもしれません。


PuChiCoを持ち歩こう

PuChiCoには専用のチャーム付きプチペンケース「PuChiCo用ファーケース」が用意されています。裸でポケットに入れるのも気が引けたので、専用ペンケースを一緒に購入しました。モカベージュの色は上品で素敵ですが、チャーム(飾り)付きで、全体的にかなり女子しています。

PuChiCo用ファーケース

ケースのサイズは90.4×30.6mmで、PuChiCoを最大2本まで収納可能とありますが、サイズ的にはあまり可愛くない。ポケットではなくポーチやバッグに入れるペンケースです。

何度か使ってみたものの、サイズ感がしっくりこなかったため、よりコンパクトなコインケースや印鑑ケースをペンケース代わりにできないか探してみました。

RafiCaroのコインケースは、MとSサイズがあり、Sサイズは、長さが7.5cmとこぶりです。

RafiCaro コインケース
【引用】Amazon - RafiCaroコインケース

Sサイズの収納品の推奨サイズは長さ5cm以下です。PuChiCoの長さは6.5cmですが、直径は2.2cmもないので、Sサイズに入るだろうと購入しましたが、「PuChiCoのためのケースなの?」というぐらいピッタリで、最強の組み合わせとなりました。

RafiCaroコインケースSサイズ

専用ケースと比べてみてもかなり小さくポケットサイズです。

PuChiCoファーケースとRafiCaroコインケース

まとめ:PuChiCoで広がる手のひらサイズの世界

6.5cm 手のひらサイズは、他の万年筆とは一線を画す存在感と機能性を持ち合わせています。携帯性と実用的な機能性を備えたこの万年筆は、象と散歩: 小さいが正義? ブランクチュール 名刺サイズのジョッターメモパッドで紹介した「いつでもどこでもメモを。」という名刺サイズのジョッターだけでは実現できない世界を広げてくれました。

持ち運びには、RafiCaroのコインケースを使うば、専用ケース以上のフィット感があり、PuChiCoの携帯性を損ないません。

日常のどんなシーンにも手軽に持ち運べる「ブラン・クチュール ジョッターメモパッド」と「PuChiCo」をいつでもどこにでも連れっていってください。

小さいが正義? ブランクチュール 名刺サイズのジョッターメモパッド

PuChoCo!?

PuChiCoについて書いていたら、WANCHERがインスタでPoChaCo(ポチャコ)をアップ!

PuChiCoとPoChoCoを比較するとこれだけ違います。

PoChoCoとPuChiCoの比較
【引用】Wancher楽天公式 - PoChoCo・クリスタルクリア

まだ小さい万年筆の部類ですが、かなり実用的なサイズに仕上がっています。

PoChaCo(ポチャコ)PuChiCo(プチコ)
長さ(収納時)108mm65mm
長さ(使用時)131mm87.3mm
太さ(最大)22mm13mm
重さ38g9g

PoChoCoは3種類、ミルキーマーブルとブラックチョコオレンジは、アイドロップ式とカートリッジ式を選択できますが、クリスタルクリアはアイドロップ式のみです。

『大人になったPuChiCo』、ちょっと欲しいかも。

象と散歩:人気の投稿(過去7日間)