iro-utsushi<いろうつし>は、パイロットの万年筆のペン先を使用した国産のインクをつけながら書く『つけペン』です。パイロットのペン先は、10,000万円以上のモデルでは14K(金)のペン先が使われていますが、kakunoをはじめとするエントリーモデルのペン先は特殊合金です。
iro-utsushiのペン先も特殊合金です。しかし、つけペンは、ペン先に「ペン芯」がないので通常のエントリーモデルの万年筆と比べるとペンタッチにしなやかさがあります。
普段と同じ書き心地で不便さを楽しむ
普段づかいのペンと書き心地で大きく違わない万年筆のペン先を持つ『つけぺん』を選びました。万年筆との違いは、インクを付けながら書くという不便さです。
ちょっとした不便さは、意味のある特別な時間を演出してくれます。
デジタル化が進み文字を書く機会は減る一方です。だからこそ、文字を書く時間を大切にすることが、より意味を持ち、文字というものの奥深さや、手書きの温かみを再確認することがでるのではないでしょうか。
木軸の中字
iro-utsushi<いろうつし>には樹脂軸と木軸がありますが、木軸は丸みを帯びたフォルで手に馴染みやすいフォルムです。ペンが転がらないように1面だけ平らに削られていますが、この部分がペンを握るときに中指に乗せる部分にもなるので握りやすいペンです。
木軸には、モクメとブラックがあります。
F(細字)はモクメを購入したので、M(中字)はブラックにしました。
木軸のブラックは、深みのある黒色が美しく高級感があります。樹脂軸の方が安価ですが、見栄え的にも、持ちやすさ的にも木軸推しです。
iro-utsushiの中字は、日本語の文字に合わせて、海外製万年筆のM(中字)と比べると若干細くなっています。それでも、中字はインク量も多いので、筆圧もいらずに滑らかに書けて、万年筆らしい個性のある文字が書けます。
字を練習するなら中字を
普段は細字の万年筆を使っていますが、字を練習するときには、ハッキリとした筆跡で滑らかに書ける中字で少し大きめに書くようにしています。字幅のある大きめの文字は誤魔化しが効かないので、字を練習するのであれば「中字」が最適だと思います。
MDつけペンとiro-utsushi 中字
MDつけペンも中字でとても書きやすい中字のペンです。極細字、細字の万年筆で「カリカリ」と書いていたので、「スラスラ」という滑らかな中字の書き心地は異世界でした。
下記がiro-utsushiモクメ細字、iro-utsushiブラック中字、MDつけペンの書き比べですが、iro-utshiの中字より、MDつけペンの方が若干、字幅が太いです。
iro-utsushi中字とMDつけペンは、特殊合金とステンレスというペン先の違いはありますが、共に柔らかい筆跡が特徴で、書き心地の違いはほとんどありません。ただし、MDつけペンはペンポイントが軸の中央にあるため、普段、他の万年筆を使っていると、最初は違和感を感じるかもしれません。
iro-utsuhi中字は、安価なペン先ながらも、非常に丁寧に作り上げられており、字幅が太くなっても優等生な整った文字が書けます。PILOTというメーカーならではの、高い日本品質が感じられます。一方、MDつけペンは字幅が少し太い分、インクの濃淡と文字幅にムラが出るので、より個性的な文字が書け、外国製万年筆のような魅力があります。
整った字が書けるという意味では、美文字練習にはiro-utsushi 中字を、より個性的にというのであれば、MDつけペンがオススメです。
MDつけペンで書く文字が素敵と思って、MD万年筆も購入しましたが、iro-utsushi<いろうつし>中字を購入して、違いが明確になりました。
どちらも2,000円前後の価格帯のペンとしては非常に満足度が高いと言えます。
色々買って楽しむ
趣味として使うお金と考えれば、色々なつけペンを使ってみるのも楽しいので、決して無駄な投資ではありません。hocoroは、筆文字しか持っていないので細字の書き心地はわかりませんが、同価格帯のセーラー万年筆 ハイエースネオが書きやすいと評判なので、安心して使えると思います。
メーカー | 製品 | 価格(税込) | 備考 |
---|---|---|---|
PILOT | iro-utsushi | 1,980円 | 木軸, 細字 or 中字 |
SAILOR | hocoro | 1,480円 | 細字 |
MD Paper Products | MDつけペン | 2,200円 | 中字 |
色々な『つけペン』を使って、文字を書く時間を楽しんでください。