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2020年7月6日

Withings Sleep で睡眠状態を可視化する

Withings Sleep

「しっかりと眠れていますか?」

不眠症 | e-ヘルスネット(厚生労働省) によると、5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」、「何らかの不眠がある」とあります。

厚生労働省の不眠症の説明では、不眠のタイプを下記の4つに分類しています。

  • 入眠障害:なかなか寝れない
  • 中途覚醒:途中で目が覚める
  • 早朝覚醒:早朝に目が覚める
  • 熟眠障害:ぐっすり眠れていない

睡眠時間は短くないのに、すっきりしない、日中に眠気を覚えるというのであれば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがあるかもしれません。


自分の睡眠を可視化しよう

睡眠障害、不眠を抱えていなかったとしても、「昨日は寝つきが悪かった」「今日は、やけに眠い」などは日常思うことは多々あります。

  • 寝つきが悪かったけど、実際に寝るまでの時間は?
  • 途中で何回目が覚めているのか?
  • いびきをかいているのか?
  • 無呼吸の心配はないのか?
  • 質の高い睡眠がとれているのか?

など、睡眠中の自分を可視化して、睡眠に対する意識を高めることが健康の第一歩です。また長期的に可視化することで自分の睡眠パターンを把握でき、改善に務めることもできます。

Withings Sleep は、マットレス(敷布団)の下に置いておくと、自分の睡眠を可視化してくれるガジェットで、下記の6項目から睡眠スコアを算出してくれます。

  • 睡眠時間
  • 規則性
  • 寝るまでの時間
  • 深さ
  • 睡眠中の中断回数
  • 起きるまでの時間

更に

  • 睡眠時の心拍数
  • 呼吸の乱れ
  • いびき

を計測してくれます。クラウド上にデータが保存(無料)されるので、長期に渡って自分の睡眠を計測した結果を確認することができます。


睡眠スコア

Sleep / Sleep Analyzer - 睡眠スコアとは? – Withings に睡眠スコアの説明があり、スコアの半分以上が睡眠時間である旨が記載されていますが、6項目をどのように使ってスコアを算出しているのかはわかりません。


睡眠時間

7時間から9時間がスィートスポット(最適な時間)としてグリーンで表示されます。6時間から7時間と9時間以上の睡眠時間の場合はアンバー、6時間未満がレッドとなります。

Withings Sleep 睡眠時間

どのように睡眠は健康に影響を与えるのか に、

睡眠時間が毎晩7時間以上の人は、

  • 健康的なBMIを有する可能性が20%高い
  • 健康的な血圧レベルを有する可能性が21%高い

とある一方、

睡眠時間が毎晩9時間以下の人は、活動的な可能性が59%高いです。

とあることからも、7−9時間の睡眠が推奨されていることがわかります。


規則性

睡眠リズムが不規則だと、概日リズム(サーカディアンリズム)に影響を与えます。体内時計の周期と地球の24時間の周期との間のズレが修正できなくなって、夜寝て朝起きることができなくなってしまのが 概日リズム睡眠障害 | e-ヘルスネット(厚生労働省) というそうです

海外に行ったときの時差ボケについては、時差症候群 | e-ヘルスネット(厚生労働省)に記載がありますが、週末に、遅くまで起きていたり、寝ダメといって昼まで寝てしまう社会的時差ボケ(Social Jetlag)も慢性的に心身の健康に影響すると言われています。

Withings Sleepでは、過去7日間の平均就寝時間と平均起床時間から睡眠と覚醒のリズムに規則性があるかを判定しているようですが、グラフ化して睡眠リズムを可視化してくれます。

Withings Sleep 睡眠の規則性

就寝時間よりも起床時間を同じにすると、いいらしいですが、どうしても寝るのが遅くなった翌日はギリギリまで寝ていたいという欲求に勝てません。


寝るまでの時間

20分以内に眠りに落ちると追加ポイントが加算されるようです。Withings Sleep ユーザーの平均は11分とあります。

一時期なかなか眠りに付けずに色々と試していた頃に記事がありますので、「寝れない!」というのであれば、下記の記事も参考にしてみてください。


深さ

睡眠段階はレム睡眠とノンレム睡眠(1から4)の5段階に分別されます。Withings Sleepでは、睡眠の深さを3段階(深い眠り、浅い眠り、とても浅い)として記録します。

Withings Sleep 睡眠の深さ

各睡眠パターンの推奨値は下表の通りです。

睡眠パターン 推奨
深い眠り 25%
とても浅い眠り 20%
浅い眠り 55%

”浅い眠り” は回復にはあまり寄与しないとありますので、睡眠のパターンのうち、”深い眠り” と ”とても浅い”(レム睡眠) が推奨値を超えていれば「よい」、それ未満だと「悪い」と判定されているようです。

下表の睡眠段階とWithings Sleepでの表示との対応、及び説明については、Sleep / Sleep Analyzer - 睡眠を追跡 – Withings からの引用です。

 アプリの睡眠パターンと睡眠段階の関係
睡眠段階 睡眠の状態 表示 アプリの説明
レム睡眠夢を見る睡眠段階。この睡眠段階は、学習と記憶の統合において重要です。急速眼球運動睡眠は深い睡眠の一部です。とても浅い夢の大半はレム(急速眼球運動、Rapid Eye Movement)睡眠で発生します。ここでは、目が全ての方向に素早く動き、心拍数が上昇し、呼吸がより不規則になります。レムは感情の調節と記憶の統合にとって非常に重要です。
眠りに落ちる段階です。この段階では、筋収縮を経験したり、筋収縮が開始したりすることがあります。浅い眠り浅い睡眠は生理学的には重要ですが、睡眠段階では回復が最小です。この段階では簡単に目が覚めます。
軽い睡眠段階で、目が覚めやすいです。
深い睡眠段階です。これらの段階は、体が再生する段階とみなされています。これらの段階では、目を覚ますのが難しいです。深い眠り深い睡眠中は呼吸が浅くなり、筋肉がリラックスします。この段階は物理的な疲労から回復するのに役立ち、学習と記憶力を向上させる役割があります。

また、下記を読むと睡眠不足のときは、”浅い眠り” から ”深い眠り” に急激に移行するとありますので、睡眠のパターンからも自分の睡眠が満足に足りているのかどうかの判断もできるのではないかと思います。

夜が深まるにつれて、レム睡眠により多くの時間を費やします。睡眠不足になると、私たちの体はまず深い睡眠(ステージ3とステージ4)とREMに追いつこうとします。睡眠不足の人はすぐに眠りに落ち、浅い睡眠(ステージ1と2)から深い眠り(ステージ3と4)へと急速に移行します。

【引用】Sleep / Sleep Analyzer - 睡眠を追跡 – Withings | Support


睡眠中の中断回数

睡眠中に目が覚めた回数と時間が計測されますが、自分は睡眠中にあまり覚醒しないので判定基準が分かりません。しかし、同じ1回の覚醒でも5-6分であればグリーン、20分だとオレンジの表記となっているので、覚醒回数だけでなく覚醒時間も影響するものと思います。


起きるまでの時間

目覚めてから6分以内(利用ユーザー平均値)にベッドを出ると追加ポイントになるようです。しかし、Alexaに起こされて「Alexa, アラームを止めて」といって、次のアラームが鳴るまでの「うつらうつら」としている時間は、浅い眠りとして記録されているようで、0分以外で記録されることは稀です。


睡眠中の心拍数

先ず持って、マットレスの下に置いて心拍数が計測できるというのは驚きです。この睡眠中の平均心拍数が低いほどよいスコアになるとあります。下図からすると、55-80bpm(beats per minuts:毎分心拍数)が標準となっています。

Withings Sleep 睡眠時心拍数

3ヶ月平均の睡眠時心拍数のグラフを見ると、55bpmと80bpmにラインが引かれていますが、要注意、標準、最適 として、

平均心拍数表記
80bpm要注意
50-70bpm標準
50以下最適

というところで、色分けがされているように見えます。これは個人の傾向によって異なる判断がされているのかは分かりません。

Withings Sleep 睡眠時心拍数

上図、3ヶ月の中で1日だけ睡眠時平均心拍数が70bpmを超えている日があります。これは短時間ベッドに入ってうたた寝したときの記録ですが、しっかりと寝ないと心拍数も落ちていませんでした。

下図は、睡眠の深さと心拍数のグラフになります。

Withings Sleep 睡眠段階と心拍数

アプリの説明には『睡眠中の心拍数は、特に夜間の後半のレム睡眠中に上昇し、より変化しやすくなります(これは、主に睡眠段階に起きる夢と関連した脳の激しい活動によるものです)』とあります。自分の睡眠中の心拍数を見ると、夜間の後半ではありませんが、レム睡眠中と判定されている時には心拍数が上昇しています。

また、同様にアプリの説明では、『睡眠中の心拍数は、特に夜間の前半の睡眠中には少なくなります。』とあります。確かに寝始めて心拍数は急激に下がりますが、最も心拍数が下がったのは、起床1時間前の47bpmです。


睡眠時心拍数と肥満の関係

Withingsの利用者を対象とした研究では、BMIが40を超える人の睡眠時心拍数が、BMIが30未満の人と比較して、平均して7.5bpm高かったことがわかりました。

【引用】Withings

とありますので、肥満は睡眠時の心拍数にも影響しているそうです。


呼吸の乱れ

Withings Sleep は2019年3月から”呼吸の乱れ”が測定できるようになりました。呼吸の乱れがあるということは、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるので、いびきと共に注意が必要です。


睡眠時無呼吸の主な症状の1つは、集中力や注意力の低下を引き起こす日中の眠気です。

・・・

睡眠中に起こる慢性の大きないびきや呼吸の一時停止も、睡眠時無呼吸を疑わせる症状です。

【引用】Withingsアプリ

Withings Sleep 呼吸の乱れ

呼吸の乱れは、"低頻度"、"中頻度"、"高頻度"と3パターンで判定されますが、判定には5時間以上の睡眠が必要です。もちろん”呼吸の乱れ”も長期間で観測できます。


いびき

マイクで集音をしてイビキを判定してくれます。寝るときに音楽を流していても、イビキとは判定されません。イビキの”回数”と”時間”、”就寝中のいびきの割合”が表示されますが、オーディオ録音はされません。

Withings Sleep いびき

いびきが検知されない場合は、下記のように「なし」と表示されます。

Withings Sleep いびきなし

Withings Sleep のメリット

睡眠計測用のガジェットやアプリは色々とありますが、何の設定もなしにベッドに入るだけで計測開始できるという手軽さは一番の魅力です。

計測値はスマホとも連携しますが、WiFiでクラウドにアップされるので長期に渡った計測にも向いています。自分の最初の夜は、2018年12月11日でした。それから1年半以上計測していますが、なかなか寝つけない、目が覚めるというの当時の睡眠状態と比べると随分と改善されてきているような気がします。

Withings Sleep 過去の睡眠

また、呼吸といびきの計測も睡眠時無呼吸症候群の気づきとなるかもしれません。

先ずは自分の睡眠状態を可視化して改善を図ってください、人生の1/3を無駄にしないように。

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