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Post Date:2025年1月4日 

Jinhao Dadao 9019 #8 心電図ニブの魅力と書き心地

Jinhao(ジンハオ)Dadao 9019 心電図ニブ

長刀風ペン先の Hongdian N8に続き、中華万年筆第2弾としてJinhao Dadao 9019を迎え入れました。

「Dadao」は中国語で「大刀(大きな刀)」を意味し、その名にふさわしい#8サイズの迫力ある大きなペン先が最大の特徴です。また、心電図の波形を思わせるスリットデザインが目を引き、この独特な構造が生む書き心地に期待が高まりました。

鉄ニブ(スチールペン先)でありながら、大きなペン先と心電図スリットの柔軟性が相まって、しなやかな書き心地が得られるのではないかという期待から、このモデルを選びました。


#8サイズのビックペン先

JOWO #6も大きなニブですが、Jinhao #8はさらに一回り大きなサイズです。

Jinha Dadao 9019 #8 と Jowo #6の比較

一般的なニブと比べると親子ほどの差があります。

Jinhao Dadao 9019 と Faber-Castell Ambition ペン先の比較

Jinhao X159 / Dadao 9019 に採用されている#8サイズのニブは、一目でその迫力を感じることができます。ただし、Dadao 9019の特徴である心電図スリットは、このモデルだけのユニークなデザインです。


大きなニブが生み出す効果

鉄ニブであっても、大きなペン先が書き心地に与える影響は少なくありません。例えば、Waterman Phileasは鉄製のニブですが、ニブの大きさが「しなり」を生み出し、滑らかさを超えた「ぬらぬら」とした独特の書き味を体験できます。

さらに、大きなニブには下記の効果に期待があります。

  • 柔軟性としなり

    大きなニブはスチール製でも適度な「しなり」を生み、筆圧に応じた微妙な書き味の変化が楽しめます。

  • インクフローの安定性

    大型ニブはインクの保持量が多く、インクフローがスムーズです。

  • 存在感

    大型ニブには存在感を示すインパクトがあり、万年筆全体に高級感と力強さを与えます。


心電図の波形のようなスリット

万年筆のペン先には、インクを先端まで導くためのスリット(切り割り)が入っています。このスリットの幅が狭いほどインクフローは抑えられ、逆に広いほど潤沢なフローが得られます。

Dadao 9019の心電図波形スリットは、ハート穴付近が心電図の波形のような独特の形状になっています。

Jinhao(ジンハオ)Dadao 9019 心電図ニブ

この心電図波形スリットには、以下の効果が期待されます。

  • 柔軟性の向上

    通常のスリットよりも複雑な形状を持つ「心電図波形スリット」は、スチール製ペン先の硬さを軽減し、柔らかい書き味を実現する工夫と考えられます。これにより独特のクッション感が得られます。

  • 筆圧感知の微調整

    心電図波形スリットはペン先の剛性を部分的に調整することで、筆圧に応じたインクフローの変化を可能にします。この特性により、線の太さや濃淡を自由に操る楽しさが増します。

  • デザインの美観

    心電図波形スリットは実用性だけでなく視覚的な美しさも兼ね備えています。ユニークなデザインが個性を引き立てます。


Dadao 9019 のデカさはニブだけではない

Dadao 9019は、ニブの迫力だけでなく、ボディ全体も太くてしっかりとした存在感を持っています。Custom67と比較するとこんなにも違います。

Jinhao Dadao 9019 と PILOT Custom 64

以下はDadao 9019の主なスペックです。

項目 詳細
nib No.8(一部のモデルに心電図ペン先(Cardiogram nib)あり)
字幅 Extra Fine:極細字、Fine:細字、Medium:中字
キャップ ねじ式キャップ
インク充填方式 カートリッジ、コンバーター(付属)
胴軸の直径 約16.4 mm(グリップ部:約15 mm)
長さ 約147mm(キャップなし:約130mm)
重さ 約32g(キャップなし:約20g)

グリップ部分は約15mmとかなり太めです。この太さのおかげで力を入れて握ることが難しく、万年筆初心者が筆圧をかけず、軽い持ち方を練習するのに適しているかもしれません。

また、32gと重量感がありますが、万年筆が大きい分、筆記時にはキャップをポストせずに使用するため、キャップなしの約20gという重さは、自重でスムーズに書けるちょうどよいバランスといえます。


大容量コンバーター

Dadao 9019付属のコンバーターもそのサイズ感に驚かされます。コンバーターは差し込む形式ではなくネジ式です。

Jinhao Dadao 9019 コンバーター

コンバーターのタンク容量については記載がありませんでしたが、こちらの動画を見ると9016のコンバーターと同じ形式なので1.7mlなのでしょうか?

Drawing with Fountain Pens / Jinhao 9016 Update
【引用】Drawing with Fountain Pens / Jinhao 9016 Update

試しにシリンダーでコンバーターのインクを吸い上げると1.6ml強です。溢れないよう少し控えめに入れているので満タンでは1.7mlになるのではないかと思います。

Jinhao Dadao 9019 Converter容量

大きいなと思ったPILOTのCON-70Nが約1.1mlなので、それと比べても1.5倍以上大きいです。この大容量のおかげで、インク補充の頻度が減るので普段使いの万年筆としては便利です。


Dadao 9019 心電図ニブの書き味

Dadao 9019 の心電図ニブは、その独特な形状がもたらす柔軟性と滑らかなインクフローが特徴です。このペン先は鉄ニブながら、筆圧をかけると僅かな「しなり」が生まれます。しかし、筆圧をかけない書き方では流石に「しなり」は感じられません。

それでも、紙へのタッチは鉄ニブとは思えない柔らかさで、しなやかな書き味です。インクフローは良好だけど「ぬらぬら」まではいかない滑らかで心地よい書き心地を実現します。

しなやかな書き味のJinaha Dadao 9019 心電図ニブ

まとめ

Jinhao Dadao 9019は、心電図波形のスリットを持つ大きな#8サイズのニブが特徴で、その個性的なデザインは視覚的なインパクトだけでなく、実用性も兼ね備えています。柔らかな書き心地や滑らかなインクフローは、多くの筆記愛好者にとって魅力的なポイントとなるでしょう。

鉄ニブでも柔らかい書き味のJinahao Dadao 9019心電図ニブ

これが、2,000円以下という価格で手に入るのは驚きです。初めての大型ニブを試したい方や、鉄ニブでもしなやかな書き味をと思われている方には、おすすめの一本です。 この価格でこの品質、手に取らない理由はありません。

Jinhao Dadao 9019 心電図ニブには、F(細字)とM(中字)がありますが、万年筆らしい味わい深い筆致が出せるのはM(中字)です。

心電図スリットではありませんが、ペン先の交換も可能です。EF/F/M の3本セットを購入すれば、それぞれの字幅も試せます。

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