きざしkeygramを使うでkeygramを使ってエギングについて調べてみましたが、もう少し違った角度からエギングについて考察していきます。
アオリイカと共に出現するイカの種類
keygramの特徴は連想語です。アオリイカの連想語としては、下図の「イカ」という分類があがります。
アオリイカと同時に書かれているイカの種類は、ひとつは、アオリイカの別名です。『アカイカ』、『ミズイカ』、『モイカ』などは、地方によるアオリイカの別名です。
もうひとつとしては、エギンガーの観点からするとアオリ狙いの外道としてのイカがあげられているのではないかと思います。実際に自身もエギングでケンサキイカ(=アカイカ)、ヤリイカ、コウイカ(=スミイカ)、カミナリイカ(=モンゴウイカ)、ヒイカなどが釣れています。
※アカイカは、アオリイカとケンサキイカ両方の別名として使われています。
※スミイカは、コウイカとカミナリイカ両方の別名として使われています。
エギングで対象となるコウイカとアオリイカを時系列で比較することによって、ブログ掲載時期から釣れる時期の違いを調べてみました。なるべく多くのサンプルを使って比較をするために、アオリイカは『アオリ』と『アオリイカ』を対象とし、コウイカは『コウイカ』、『甲イカ』、『スミイカ』を対象としてみました。また通年を100%として、各月のバラつきを比較しています。
比較しやすいように二つのグラフを重ねてみます。
きざしkeygramを使うでは、アオリイカのピークを5月と10月と記載しましたが、『アオリ』を含めると秋シーズンのピークが9月になります。何れにせよ春シーズンは4月〜6月、秋シーズンは9月〜11月であり、春より秋に多いことがわかります。一方、コウイカの春シーズンは、アオリイカより若干早く終わり、4月〜5月で、ピークは5月です。秋はアオリイカに遅れて10月〜12月でピークは11月です。また厳冬期の1月〜2月でも一定数の話題があることがわかります。
イカの生態から考えると、コウイカもアオリイカと同様に年魚であり、春に産卵のために接岸し、秋には釣れるサイズに成長します。また東京湾では秋から冬にかけて乗合船からテンヤでの釣りが盛んです。
コウイカとスミイカ
アオリイカとコウイカの比較でコウイカにスミイカも加えていましたが、房総では、カミナリイカもまたスミイカと呼ばれています。そこで一旦まとめたコウイカとスミイカを分別してグラフにしてみました。(※カミナリイカはサンプル数が少ないため集計対象にはしていません)
コウイカには、春の大きな山と、秋の小さな山があります。一方、スミイカは、晩秋から冬にかけて大きな山があり、2月まで減少しながらも一定数があります。
同じイカを指すはずのコウイカとスミイカで話題にあがる時期がなぜ違うのかを検証するために下記の2つの仮説を考えてみました。
①コウイカ=スミイカ
であるとすると、関東では前述したようにコウイカをスミイカと呼び、秋から冬がシーズンであることから、関東とは別に春にコウイカを釣る地域がある。
②カミナリイカ=スミイカ
であるとすると、コウイカとカミナリイカで釣れる(釣る)時期が違う
イカ・タコ識別図鑑には【釣り】という項目があり、下記のように記載されています。
イカ・タコ識別図鑑 (釣り人のための遊遊さかなシリーズ)
エギンガーには必需品であるこの図鑑。学術的観点ではなく釣果を確認するための図鑑です。見分けるための特徴が生きた(釣った)イカやタコの写真をベースに【解説】【形態】【分布】【釣り】という4項目に分けて完結に説明されています。また調理方法も掲載されているので、さばき方から食べ方まで網羅されています。
またiPhone版の電子書籍としても発売されています。iPadにも対応しているので大きな画面で検索・閲覧することもできます。
価格:
¥1,575(書籍版) ¥900(iPhone/iPod/iPad)
コウイカ
コウイカは、水深10m-100mのやや内湾的な砂泥底にすみ、冬の終わりから春先にかけて浅海に浮上してきて産卵する。この時期に釣ることが多い。
カミナリイカ
コウイカと混同している釣り人が多い。浅海に多くて身近な甲イカであり、大型になるので釣って面白く、食べて美味しい。
【引用:イカ・タコ識別図鑑】
コウイカは春先に釣ることが多いとあるので、春にコウイカを釣る地域があるはずです。この地域による違いを見つけるために、
Google Insights for Search を使って『コウイカ』と『スミイカ』が、いつ、どこで、検索されているかを調べてみました。
Google Insights for Search では検索語句の人気度を時系列で解析することができます。
ネットでみるエギングで、同じく烏賊ネタですが、今回は利用していませんが、
Google Trends(Googleトレンド)の使い方や、
Google Insights for Searchの使い方にも触れていますので参照ください。
Google Insights for Searchで調べてみると、『コウイカ』は春、『スミイカ』は秋から冬です。また地域別でみると、『スミイカ』は東京で検索されていますが、大阪では『スミイカ』という語彙では検索されていません。
ブログ掲載時期と検索時期についての関係をみると『スミイカ』は、相関係数が0.96と高く、グラフでみてもほぼ重なっていることが分かります。
コウイカも相関係数は0.86と高いのですが、グラフを重ねてみると、秋は検索よりも掲載が上回っています。このことは、秋のコウイカは能動的に釣ったのではなく、受動的に釣れてしまったということを意味しているのでしょうか。
エギンガーが秋に多いという結果と併せて考えると、アオリイカの外道としてコウイカが釣れているのではないかと考えられます。
スミイカを
keygramで調べてみると、『乗合』『出船』などがあがり、『スミイカ乗合』のブログ掲載時期は、下記にある通り、秋から冬にかけてです。
またコウイカでは連想語に『エギ』、『エギング』、『交接』などがあがります。これは、春の交接期にエギングで釣っていることを表しているのではないでしょうか。
上記から仮説①は証明され、西では春の産卵時期に浅海に浮上してくるコウイカをエギングで釣り、東ではスミイカと呼ばれて秋から冬にかけて乗合船でテンヤで釣られるということがわかります。
では、仮説②についてはどうでしょうか。
内房や南房で底をとってエギングをするとカミナリイカが餌木に乗ってきます。餌木に重りを付けてズル引き専門の釣師もいます。そして春シーズンよりも秋シーズンの方がエギングは盛んです。実際、いまの時期の堤防や護岸はスミイカの墨だらけです。しかしながら、今回の
keygramでの調査からは、カミナリイカがスミイカと呼ばれて秋に釣られているということまでを言及するには至りませんでした。
ちなみにコウイカとカミナリイカの違いですが、イカ・タコ識別図鑑によるとコウイカの胴長は10cm-20cm、カミナリイカは10cm-38cmとあり、カミナリイカの方が大型です。またカミナリイカには特徴的な唇のような斑紋があります。下の写真はこの秋釣ったカミナリイカ(モンゴウイカ)です。
拡大してみると斑紋がハッキリとわかります。
そしてこちらがこの春にあげたコウイカです。斑紋はありません。
これもコウイカでしょうか。
今回は、イカという個人的趣味のネタですが、ネットでの話題性を定量的、定性的にみることは、ソーシャルマーケティング時代のマーケッターにとって、とても重要なことだと思っています。また得られた情報から知見を組立てることは、ツールではしてくれないので、色々と試してみると自分の技量を磨けるのではないでしょうか。
今日の一曲
伊豆高原からの帰り、車に乗ってSuono Dolceをかけたら流れていた「のうぜんかつら」。
そのときのツィートは、「おっ、カッコいいね」
イントロ部分と間奏にある、ちょっと鼻にかかった甘い声でのリズムチックな英語の歌詞の部分は心地良く耳に染みいります。
月桂冠のCMで流れた「のうぜんかつら(リプライズ)」が有名だと後に知りましたが、個人的にはこちらのバージョンの方が好きです。
安藤裕子 - Merry Andrew / のうぜんかつら