Translate

ラベル *金ペン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル *金ペン の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
Post Date:2026年9月12日 

モンブラン146は、なぜ書きたくなるのか──濃淡と揺らぎに惹かれる万年筆

MONTBLANC MEISTERSTUCK 146

きれいに整った線ではなく、少し濃くなったり、淡くなったり、紙の上で息をするように揺れる線。

ペン先が紙に触れ、インクが少し遅れて追いかけてくる。そのわずかな濃淡や揺らぎが、書いた文字に人の手の跡を残してくれる。

モンブラン146で書いていると、文字を書くことそのものが少し楽しくなります。

愛用している PILOT、セーラー、プラチナといった国産万年筆は、ペン先の精度やインクフローの安定感、扱いやすさに優れていて、筆記具としての完成度も高く、満足度も十分です。

それでも万年筆沼の深みにはまると、いつしかモンブランのマイスターシュテュックが気になる存在になります。

黒軸にゴールドの装飾、キャップトップのホワイトスター。ひと目でモンブランと分かる象徴的なデザインは、何十年も大きく変わることなく、「高級万年筆とはこういうものだ」というイメージを形づくってきました。

万年筆を好きになったからには、一度は使ってみたくなるマイスターシュテュック。

けれど実際にモンブラン146を手にして強く惹かれたのは、その象徴性だけではありません。軟らかなペン先と、そこから生まれる濃淡と揺らぎでした。


このモンブラン146は、いつ生まれたのか

購入時の説明では、1970年代後半から1980年代初頭に作られたとされるモンブラン146とありました。

念のため、「趣味の文具箱 Vol.20」の特集「モンブラン146の世代差を徹底比較」に掲載されている年代判定表をもとに、手元の146の特徴を確認してみました。

購入した146には、次のような特徴があります。

  1. 単色の「14C / MONTBLANC / 585」ニブ

    MONTBLANC MEISTERSTUCK 146 14C mono clolor nib
  2. エボナイト製で、ペン芯の先にインクを溜める水平の切り割りがある

    MONTBLANC MEISTERSTUCK 146 ebonite feed
  3. クリップリングの「GERMANY」刻印

    MONTBLANC MEISTERSTUCK 146 "GERMANY" engraving on a clip ring
  4. インク窓がグレーの透明窓

    MONTBLANC MEISTERSTUCK 146  grey translucent ink window
  5. 太字のリング刻印(MONTBLANC-MEISTERSTUCK No.146)

    "MONTBLANC-MEISTERSTUCK No.146" engraving

これらの特徴を年代判定表と照らし合わせると、1970年代中期から後期に見られる特徴を多く備えており、購入時の説明より少し古い可能性もあります。

とはいえ、ヴィンテージ万年筆にはパーツ交換や移行期の仕様もあり得るため、正確な製造年までは特定できません。

今回の146で特に惹かれたのが、単色の14Cニブでした。後年の14Kニブや現行の146とは異なる時代のペン先であり、この一本を手に取ってみたいと思わせる大きな理由のひとつでした。

半世紀近く前の道具ですが、モンブラン146は基本的なデザインが大きく変わっていないため、古さを感じさせません。そして何より、いまも実用品として自然に使えるところに、万年筆という道具の素晴らしさを感じます。


軟らかなペン先と、文字に生まれる濃淡

最初に入れたインクは、PILOT 色彩雫の「霧雨」でした。落ち着いたグレー系のインクで、このモンブラン146の濃淡や揺らぎにもよく合います。

PILOT 色彩雫(深海、霧雨、山栗)

実際に書き出してみると、まず印象に残ったのは、想像していた以上のペン先の軟らかさでした。

ペン先が紙に触れたときの感触は、PILOT のソフトニブ(SM)に近いと感じています。ごくわずかにしなってから、紙の上を滑り出していくような感覚があります。

この「ごくわずかに」というところが気持ちいい。

ペン先のわずかなしなりに、書く速度やペン先の動きが重なると、線の濃さも少しずつ変わっていきます。その違いが一画の中に自然な濃淡を生み、文字全体にも揺らぎのある表情を残します。

字幅は国産の F より少し太く、実際に書いた印象では欧州の F くらいです。細すぎず太すぎず、普段使いしやすいちょうどよい太さです。

濃淡と揺らぎのある字が書ける

軟らかなペン先の感触と、こうした濃淡や揺らぎが重なるところに、この146で書く面白さがあるのだと思います。


中古の146、それとも現行『ル・グラン』?

今回手に入れた146はヴィンテージですが、中古の万年筆を選ぶとなると、心配な点も多くなります。

修理やパーツ交換の履歴、正確な年代や状態、正規品であることを示す書類や購入記録など、中古ならではの不確かさは残ります。また、古い万年筆は個体差も小さくありません。

今回の146で感じたペン先の軟らかさや、文字に現れる濃淡と揺らぎも、この年代、この個体ならではのものと考えた方がよさそうです。現行の146に同じ書き味をそのまま期待することはできません。

一方で、モンブラン146の基本的なスタイルは現在にも受け継がれています。

現在のラインアップでは「マイスターシュテュック ル・グラン」として販売されていて、146らしいサイズ感や、黒い軸にゴールドの装飾、キャップトップのホワイトスターといったマイスターシュテュックらしい姿は健在です。

ヴィンテージには、古いペンならではの魅力があります。ただ、状態や年代を見極めることに不安があるなら、新品のル・グランを選ぶという方法もあります。

どちらを選ぶかは、ヴィンテージならではの個性を楽しみたいのか、それとも安心して新品を選びたいのか。その違いなのだと思います。


モンブラン146は、やっぱり書きたくなる

この146に惹かれる理由は、軟らかなペン先や、ヴィンテージならではの雰囲気だけではありません。

紙に触れたときのわずかなしなり、書く速度によって生まれる濃淡、文字全体に残る揺らぎ。そうした小さな変化が重なって、文字に書き手の個性が表れます。

書き手の個性が表れる一方で、すべてを思いどおりにしようとするわけではありません。ペン先やインクの動きに少し任せながら書く。その両方があることが、文字を書く楽しさにつながっているのだと思います。

特に書く用事がなくても、つい手に取ってしまう。

Montblanc White Star emblem

そんな万年筆が、「モンブラン マイスターシュテュック 146」なのだと思います。

Post Date:2025年7月28日 

フォルカンで書く、ゆっくりの美学

PILOT Custom 743 FA (ファルカン)

PILOTのCustom Heritage 912 SM を手にして、「万年筆の書き方」を初めて意識するようになり、「書くことの楽しさ」にも惹かれていきました。

そこから、「もっと美しく書きたい」という気持ちが芽生え、行書の練習を始めることに。

軟調ペンで紙の上をなぞるように書く、そのなめらかな筆致は、行書にぴったりだと感じていました。

ところが、WANCHERの小太刀ニブに出会って、字幅の変化の面白さと表現の奥深さにハッとさせられたのです。

小太刀のしなやかな書き味を楽しんでいるときに、ふと頭をよぎったのが――「そういえば、PILOTのFA(ファルカン)って、どうなんだろう?」


フォルカン(FA)ニブとは?筆のようにしなる特殊ペン先

「フォルカン(FA)」は、パイロットが開発した特殊ペン先のひとつです。筆のようなしなりと、線に強弱をつけられる表現力で、多くの書き手に支持されています。

PILOT Custom 743 FA (ファルカン)

フォルカンニブの語源と形状

「Falcon(ファルコン)」とは、英語で「ハヤブサ」を意味します。その名の通り、ペン先はハヤブサのくちばしのように細く長く湾曲した独特の形状をしています。

Custom 743 FA と Heritage 912 SMのペン先を比較する

この形により、スリット(ペン先の割れ目)が通常より深く、しなりやすく設計されているのが特徴です。筆圧をかけるとペン先が左右に開き、インクの出方が変化して線が太くなり、筆圧を抜けば細くなる ― そんな筆のような書き味を万年筆で実現しているのが、フォルカンニブです。


FAニブと軟調ペン先の違い

パイロットの SM(Soft Medium)や SF(Soft Fine)など、“S”のついたペン先は「軟調ペン先」と呼ばれています。

これらは、しなやかさとクッション性が特徴で、長時間の筆記でも手が疲れにくく、万年筆初心者にも扱いやすい設計です。

一方で FA(フォルカン)ニブは、筆圧をかけるとスリットが左右に大きく開き、字幅に明確な変化が生まれるように作られています。

筆圧でスリットが広がり太い筆致となるフォルカン

そのしなりを活かして、線に“表情”をつけることができる、表現重視のペン先なのです。

下表は、フォルカン(FA)と軟調ペン先(SM,SFM,SF)の違いです。

項目FA(フォルカン)ニブ軟調ペン先(SM, SFM,SF)
線の強弱表現◎ 筆圧で細〜太まで大きく変化する△ 緩やかに変化するが基本は一定
しなり◎ よくしなる。スリットが大きく開く◯ やわらかく沈み込む感覚。スリットの開きは小さい
書き味表現力が高く繊細。筆のような筆致表現が可能なめらかでクッションのある書き心地。長時間筆記に向く
扱いやすさ△ 慣れが必要。筆圧やスピードのコントロールに注意◎ 万年筆初心者でも扱いやすい

フォルカンニブには、筆圧によって細〜中〜太の線を描き分けることができます。


フォルカンニブを搭載した主なモデル

フォルカン(FA)ニブを搭載できるパイロットの日本国内向けモデルは、以下の3つです:

  • Custom(カスタム) 743 FA(14K・15号ニブ)
  • Custom(カスタム) 742 FA(14K・10号ニブ)
  • Custom Heritage(カスタム ヘリテイジ) 912 FA(14K・10号ニブ)

※「14K」とは、金の含有量を表す記号です。Kは Karat(カラット) の略で、金の純度を示す単位です。24Kを純金(100%)とし、14Kは24分の14、すなわち約58.3%の純金を含んでいることを意味します。

モデル名ペン先
サイズ
FAニブ
対応
備考
Custom 74315号✅ありパイロット唯一の15号 FAニブ搭載モデル。しなりが強く、線の強弱を出しやすい
Custom 74210号✅あり743よりやわらかさは控えめ、適度なしなりと安定した筆記バランス。
Custom Heritage 91210号✅あり742と同じく10号FAニブ、742よりもコンパクトで軽量・細身

Custom 742とCustom 912は同じ10号FAニブですが、デザインが大きく異なり、書き味やバランスに微妙な違いがあります。以下はその比較表です。

項目Custom 742 FACustom Heritage 912 FA
ペン先10号 FA(共通)10号 FA(共通)
軸の形状バランス型ベスト型
最大軸径約14.5mm約13.5mm
全長(キャップ付き)約146mm(やや長め)約137mm
重量(インクなし)約24g(やや重め)約19g
筆記バランスやや重めで後ろ寄り(胴軸側に重さあり)やや軽く、前重心(指先に近い)
装飾トラディショナルな金モダンでシンプルな銀
コンバーターCON-70(共通)CON-70(共通)

行書を練習するのに最適なFAニブを持つ万年筆は?

PILOT Custom 743 FA (ファルカン)

今回、FAニブの万年筆を購入する目的は「行書を練習すること」。その観点で、3モデルを「行書適性」で比較してみました。

モデル名適性理由・特徴
Custom 743 FA最適15号FAニブは筆のようにしなり、線の強弱が自在。はね・はらいが自然に出せる。漢字の表現に最も適している。
Custom 742 FA高適性10号FAニブ。適度な重量感と安定した筆記バランスで、とめ・はね・はらいが決まりやすく、行書に非常に向いている。
Custom Heritage 912 FA良い同じ10号FAニブ。軽快で扱いやすく、日常筆記としての行書にも適している。やや速書き向き。

当初は Custom 742 FA にしようかと思っていましたが、「ペン先が大きい方が軟らかい」というこれまでの経験と、PILOTの15号ニブの期待から、最終的に Custom 743 FA をポチり。


価格改定について

2024年10月1日より、パイロットの価格改定で、

  • Custom 742 / Custom Heritage 912:26,400円 → 33,000円
  • Custom 743:39,600円 → 44,000円

と、かなりの値上げ幅ですが、ECでは割引価格で購入可能です。

また、パイロットのCustomシリーズは量産型で品質も安定しているため、信頼できるショップであればネットでの購入でも安心です。


Custom 743 FAを使ってみて

Custom 743 FAのペン先は、軟らかすぎず、ちょうどいいしなり具合です。少し筆圧をかけることで字幅に大きく変化を出せます。

字幅の変化が楽しめる14K 15号フォルカン

体感としては、ペン先の軟らかさは以下の順で感じられます:
Custom Heritage 912 SM < Custom 743 FA < Platinum #3776 SF(細軟)

いちばん軟らかい #3776 SFは、少しの筆圧で大きくしなりますが、字幅は大きく変化しません。

一方、742 FAは、筆圧をほんの少しかけるだけでペン先がぐっと開き、線がふわりと太くなる。力を抜けば、スッと線が細く戻る。この「入りと抜きの動き」が心地よい筆致です。

反対に、強い筆圧で書く方には不向きかもしれません。軽やかなタッチでリズムよく書くときに、その魅力が際立ちます。


普段使いは軟調ペン、表現したいときはFA

PILOTの軟調ニブ(SMやSFM)は、どちらかというと日常的な筆記やメモに向いています。少し速く書くような場面でも、ペン先がスムーズに追従してくれるのが魅力です。

そうした特性から、Custom Heritage 912 は、ジャーナリングなど日々の記録に最適な一本といえるでしょう。

それに対して、フォルカンニブは「丁寧に書こう」という気持ちにさせてくれます。書くスピードは少し落ちるけれど、その分、書くことの楽しさや奥深さを感じられる。そんなペン先です。そして字の表現力を高めてくれるのでまさに行書の練習にピッタリな万年筆です。


行書に適した万年筆とは

最後に、自分が所有している万年筆の中から、行書に適していると感じたモデルを比較してみました。

モデル名線の表情しなり感書き味の特徴行書への適性
Pilot Custom
743 FA
◎(筆のようにしなる)筆圧で線が変化、とめ・はね・はらいもダイナミックに表現できる最適
WANCHER
小太刀ニブ
✕(しなりはない)筆圧とペン先の角度で、線の変化を自在に表現高適性
Custom Heritage 912 FA◯(自然なやわらかさ)軽く扱いやすく、筆圧で少し線に変化が出せる良い
WANCHER
渓流ニブ
✕(しなりはない)やや太めの字幅で、滑らかに線の強弱が出せる良い
Platinum
#3776 SF
◎(ふわりとした柔らかさ)クッション感のある柔らかさ。一部向く

行書に適した万年筆を選ぶとき、ポイントになるのは「線の変化のつけやすさ」だと感じています。

Custom 743 FAのように、しなりによって筆圧をそのまま線に反映できるモデルは、まさに筆のような感覚で書くことができます。一方、小太刀ニブのようにしなりがなくても、筆圧や角度によってダイナミックな線が引けるタイプも魅力的です。

何にしても「筆圧をかけずに書く」という、万年筆本来の書き方がベースになります。

まずは少し細めの軟調ペンで、軟らかいペン先の感覚に慣れるところから始めるのが良いのではないでしょうか。


やっぱり一本差しのケースを

新しく迎えたCustom 743 FAにも、以前こちらで紹介したFREESEの一本差し万年筆ケースを購入しました。

革の品質には多少のばらつきがありますが、1,000円とは思えないクオリティです。裏地には肌触りのよい柔らかなスエードが使われていて、しっかりと万年筆を守ってくれます。作りはシンプルですが、見た目も悪くありません。

ディープグリーン(プロギア)、ブラウン(#3776)、ブルー(Heritage 912)、レッド(Custom67)と使ってきたので、今回はブラックを選びました。


次はエラボー、、、?

PILOTのソフトニブ、そしてフォルカンと試してきたので、「自然な書き味でファンも多い」と言われる ELABO(エラボー)も、次はぜひ使ってみたいところです。

ソフトニブでは中字を選んだので、エラボーを買うなら細字?金属軸より樹脂の方が軽くてよい?

嗚呼、物欲の神が騒いでいます……。

PILOTの価格改定の前にELABOを購入。エラボーの記事は下記をクリックしてください。[2025.09.15追記]

Post Date:2024年9月18日 

初心者の太字万年筆の選び方!カスタム67 Bの実力は?

PILOT CUSTOM 67 <B>

太字の万年筆を使ってみたいけど、普段使いになるのか分からないし、、。そんな風に悩んだことはありませんか?太字は、文字に力強さと個性を与え、手書きの楽しさをさらに深めてくれる存在です。

「中古の万年筆なら気軽に試せるかも!」と思い、カスタム67 Bを中古で購入。

1985年発売のパイロットカスタム67は、同社の67周年記念モデルとして登場した、14金5号の万年筆です。カスタム74の前身モデルとしても知られています。67には太字の字幅もあり、太字を日常的に使う機会は多くないけど、金ペンならではの太字の書き味を味わいたい方にオススメです。

カスタム74よりもシンプルなデザインのカスタム67は、飽きのこない美しさで長く愛用できそうです。定番モデルのため中古市場でも比較的多く流通しており、状態の良いものが安価で入手できるのも魅力です。


Custom 67のペン先(ニブ)

5号サイズのペン先は、10号サイズのCustom Heritage 912のペン先と比べるとコンパクトです。ペン先には、PILOT 14K585 5 Bと刻印されています。

Custom67 Nib 14K 585 5 B
  • 14K:14金
  • 585:金の含有率 58.5%
  • 5:5号サイズのペン先
  • B:字幅 Bold(太字)

横からみるとボールドなので四角い大きなペンポイントが目立ちます。

Custom67 Nib(横から)

こちらは裏側になります。

Custom67 Nib(裏側)

デザイン

カスタム67は細身のボディで、万年筆初心者にも握りやすい太さです。カスタム74と同様に樹脂製のバランス型ですが、経年劣化のせいか、74に比べてややプラスチック感があります。

Custom67

キャップのリングは、カスタム74の太いリングとは対照的に、細いリングが2本です。キャップの縁に「CUSTOM 67 JAPAN」が控えめに刻まれています。

Custom67 キャップ

クリップの丸い玉はカスタム74と同じデザインですが、キャップと軸の両端のリングがより細く、全体として質素な印象を与えます。

Custom67 尻軸


コンバーターも使える

初期型のカスタム67の尻軸には、バランサー(オモリ)が入っているので、コンバーターのCON-70が入らないとありますが、入手したカスタム67は初期モデルではないのでCON-70が装着できました。

パイロット コンバーター CON-70

Custom 67の書き心地

14K 5号サイズのペン先はコンパクトですが、太字のペン先はインクフローが多く、筆圧をかけずに滑らかに書けます。気持ちよく太い文字が書けるペン先です。

しかし、字幅が太ければ柔らかいというわけではないといいうことが実感できました。

ペン先に力を入れると"しなり"はあります。

Custom67 ペン先のしなり

しかし、金ペンや軟調ペンの書き味に慣れてしまっということもありますが、書き味は滑らかですが、決して柔らかくはありません。どちらかといえば、硬く筆圧をかけても書きやすい万年筆に仕上がっています。

カスタム74試筆台で試した<B:太字>と比べてもあまり変わらない気がします、、。


パイロットのペン先はいつから硬化したのか?

100年の歴史 | パイロット100周年記念サイト - PILOT には、1972年に発売された「カスタム」シリーズでは「現代の日本人にあった、日本の文字のための万年筆」と謳われています。

もう少し前に遡っても、硬化の兆しが見られます。1968年に発売された「エリートS」は、Yシャツのポケットに収まるショートサイズの万年筆でしたが、このサラリーマンをターゲットとした万年筆が、携帯性と実用性を兼ね備えたペン先の硬化の始まりだったのではないかと思われます。

「エリートS」は復刻版として「エリート95S」として、現在も発売されています。

1960年代から1970年代にかけての0.5mmのシャープペンシル、そしてボールペンの普及に伴って筆圧をかけて書くことが一般的になってきました。万年筆もまた、硬めのペン先にすることで、耐久性を高め、ボールペンやシャープペンシルに慣れたユーザーにとっても使いやすいように日常の筆記用具として進化してきたのではないでしょうか。

そして、実用的な万年筆が硬化する中で、柔らかい万年筆の書き味を求める声に応えたのが、軟調ペン先なのではないかと思います。


14K 5号の太字は必要か?

いまのところ日常的にはあまり多く太字の出番を考えられません。しかし、太字は、より万年筆らしいアーティスティックな文字を表現できます。手紙や葉書を書いたり、一筆箋などを書く方は太字が重宝するかもしれません。

Bold(太字)は、Fine(細字)やMedium(中字)と比べて利用が限定されますが、手書きの幅を広げられる可能性を秘めているので、14K 5号の太字もあっても損はしないと思います。

中古の万年筆にはあたりハズレがありますし、ニブの形状が異なりしなやかと言われている初期モデルでなければ、カスタム74でも同じです。

また同価格帯のプロギアスリム、#3776センチュリーでもいいかもしれません。

しかし、太字を主力として考えるのであれば、14K 5号のペン先では、書き味に物足りさを感じるようになるかと思います。

サイズが大きいペン先は、筆圧に対して多少の弾力性を感じやすく、滑らかな書き心地が得られることが多いので、パイロットであれば10号や15号サイズ。21Kのプロフィット/プロフェッショナルギアの太字をおススメします。

広告

象と散歩:人気の投稿(過去7日間)