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Post Date:2025年7月28日 

フォルカンで書く、ゆっくりの美学

PILOT Custom 743 FA (ファルカン)

PILOTのCustom Heritage 912 SM を手にして、「万年筆の書き方」を初めて意識するようになり、「書くことの楽しさ」にも惹かれていきました。

そこから、「もっと美しく書きたい」という気持ちが芽生え、行書の練習を始めることに。

軟調ペンで紙の上をなぞるように書く、そのなめらかな筆致は、行書にぴったりだと感じていました。

ところが、WANCHERの小太刀ニブに出会って、字幅の変化の面白さと表現の奥深さにハッとさせられたのです。

小太刀のしなやかな書き味を楽しんでいるときに、ふと頭をよぎったのが――「そういえば、PILOTのFA(ファルカン)って、どうなんだろう?」


フォルカン(FA)ニブとは?筆のようにしなる特殊ペン先

「フォルカン(FA)」は、パイロットが開発した特殊ペン先のひとつです。筆のようなしなりと、線に強弱をつけられる表現力で、多くの書き手に支持されています。

PILOT Custom 743 FA (ファルカン)

フォルカンニブの語源と形状

「Falcon(ファルコン)」とは、英語で「ハヤブサ」を意味します。その名の通り、ペン先はハヤブサのくちばしのように細く長く湾曲した独特の形状をしています。

Custom 743 FA と Heritage 912 SMのペン先を比較する

この形により、スリット(ペン先の割れ目)が通常より深く、しなりやすく設計されているのが特徴です。筆圧をかけるとペン先が左右に開き、インクの出方が変化して線が太くなり、筆圧を抜けば細くなる ― そんな筆のような書き味を万年筆で実現しているのが、フォルカンニブです。


FAニブと軟調ペン先の違い

パイロットの SM(Soft Medium)や SF(Soft Fine)など、“S”のついたペン先は「軟調ペン先」と呼ばれています。

これらは、しなやかさとクッション性が特徴で、長時間の筆記でも手が疲れにくく、万年筆初心者にも扱いやすい設計です。

一方で FA(フォルカン)ニブは、筆圧をかけるとスリットが左右に大きく開き、字幅に明確な変化が生まれるように作られています。

筆圧でスリットが広がり太い筆致となるフォルカン

そのしなりを活かして、線に“表情”をつけることができる、表現重視のペン先なのです。

下表は、フォルカン(FA)と軟調ペン先(SM,SFM,SF)の違いです。

項目FA(フォルカン)ニブ軟調ペン先(SM, SFM,SF)
線の強弱表現◎ 筆圧で細〜太まで大きく変化する△ 緩やかに変化するが基本は一定
しなり◎ よくしなる。スリットが大きく開く◯ やわらかく沈み込む感覚。スリットの開きは小さい
書き味表現力が高く繊細。筆のような筆致表現が可能なめらかでクッションのある書き心地。長時間筆記に向く
扱いやすさ△ 慣れが必要。筆圧やスピードのコントロールに注意◎ 万年筆初心者でも扱いやすい

フォルカンニブには、筆圧によって細〜中〜太の線を描き分けることができます。


フォルカンニブを搭載した主なモデル

フォルカン(FA)ニブを搭載できるパイロットの日本国内向けモデルは、以下の3つです:

  • Custom(カスタム) 743 FA(14K・15号ニブ)
  • Custom(カスタム) 742 FA(14K・10号ニブ)
  • Custom Heritage(カスタム ヘリテイジ) 912 FA(14K・10号ニブ)

※「14K」とは、金の含有量を表す記号です。Kは Karat(カラット) の略で、金の純度を示す単位です。24Kを純金(100%)とし、14Kは24分の14、すなわち約58.3%の純金を含んでいることを意味します。

モデル名ペン先
サイズ
FAニブ
対応
備考
Custom 74315号✅ありパイロット唯一の15号 FAニブ搭載モデル。しなりが強く、線の強弱を出しやすい
Custom 74210号✅あり743よりやわらかさは控えめ、適度なしなりと安定した筆記バランス。
Custom Heritage 91210号✅あり742と同じく10号FAニブ、742よりもコンパクトで軽量・細身

Custom 742とCustom 912は同じ10号FAニブですが、デザインが大きく異なり、書き味やバランスに微妙な違いがあります。以下はその比較表です。

項目Custom 742 FACustom Heritage 912 FA
ペン先10号 FA(共通)10号 FA(共通)
軸の形状バランス型ベスト型
最大軸径約14.5mm約13.5mm
全長(キャップ付き)約146mm(やや長め)約137mm
重量(インクなし)約24g(やや重め)約19g
筆記バランスやや重めで後ろ寄り(胴軸側に重さあり)やや軽く、前重心(指先に近い)
装飾トラディショナルな金モダンでシンプルな銀
コンバーターCON-70(共通)CON-70(共通)

行書を練習するのに最適なFAニブを持つ万年筆は?

PILOT Custom 743 FA (ファルカン)

今回、FAニブの万年筆を購入する目的は「行書を練習すること」。その観点で、3モデルを「行書適性」で比較してみました。

モデル名適性理由・特徴
Custom 743 FA最適15号FAニブは筆のようにしなり、線の強弱が自在。はね・はらいが自然に出せる。漢字の表現に最も適している。
Custom 742 FA高適性10号FAニブ。適度な重量感と安定した筆記バランスで、とめ・はね・はらいが決まりやすく、行書に非常に向いている。
Custom Heritage 912 FA良い同じ10号FAニブ。軽快で扱いやすく、日常筆記としての行書にも適している。やや速書き向き。

当初は Custom 742 FA にしようかと思っていましたが、「ペン先が大きい方が軟らかい」というこれまでの経験と、PILOTの15号ニブの期待から、最終的に Custom 743 FA をポチり。


価格改定について

2024年10月1日より、パイロットの価格改定で、

  • Custom 742 / Custom Heritage 912:26,400円 → 33,000円
  • Custom 743:39,600円 → 44,000円

と、かなりの値上げ幅ですが、ECでは割引価格で購入可能です。

また、パイロットのCustomシリーズは量産型で品質も安定しているため、信頼できるショップであればネットでの購入でも安心です。


Custom 743 FAを使ってみて

Custom 743 FAのペン先は、軟らかすぎず、ちょうどいいしなり具合です。少し筆圧をかけることで字幅に大きく変化を出せます。

字幅の変化が楽しめる14K 15号フォルカン

体感としては、ペン先の軟らかさは以下の順で感じられます:
Custom Heritage 912 SM < Custom 743 FA < Platinum #3776 SF(細軟)

いちばん軟らかい #3776 SFは、少しの筆圧で大きくしなりますが、字幅は大きく変化しません。

一方、742 FAは、筆圧をほんの少しかけるだけでペン先がぐっと開き、線がふわりと太くなる。力を抜けば、スッと線が細く戻る。この「入りと抜きの動き」が心地よい筆致です。

反対に、強い筆圧で書く方には不向きかもしれません。軽やかなタッチでリズムよく書くときに、その魅力が際立ちます。


普段使いは軟調ペン、表現したいときはFA

PILOTの軟調ニブ(SMやSFM)は、どちらかというと日常的な筆記やメモに向いています。少し速く書くような場面でも、ペン先がスムーズに追従してくれるのが魅力です。

そうした特性から、Custom Heritage 912 は、ジャーナリングなど日々の記録に最適な一本といえるでしょう。

それに対して、フォルカンニブは「丁寧に書こう」という気持ちにさせてくれます。書くスピードは少し落ちるけれど、その分、書くことの楽しさや奥深さを感じられる。そんなペン先です。そして字の表現力を高めてくれるのでまさに行書の練習にピッタリな万年筆です。


行書に適した万年筆とは

最後に、自分が所有している万年筆の中から、行書に適していると感じたモデルを比較してみました。

モデル名線の表情しなり感書き味の特徴行書への適性
Pilot Custom
743 FA
◎(筆のようにしなる)筆圧で線が変化、とめ・はね・はらいもダイナミックに表現できる最適
WANCHER
小太刀ニブ
✕(しなりはない)筆圧とペン先の角度で、線の変化を自在に表現高適性
Custom Heritage 912 FA◯(自然なやわらかさ)軽く扱いやすく、筆圧で少し線に変化が出せる良い
WANCHER
渓流ニブ
✕(しなりはない)やや太めの字幅で、滑らかに線の強弱が出せる良い
Platinum
#3776 SF
◎(ふわりとした柔らかさ)クッション感のある柔らかさ。一部向く

行書に適した万年筆を選ぶとき、ポイントになるのは「線の変化のつけやすさ」だと感じています。

Custom 743 FAのように、しなりによって筆圧をそのまま線に反映できるモデルは、まさに筆のような感覚で書くことができます。一方、小太刀ニブのようにしなりがなくても、筆圧や角度によってダイナミックな線が引けるタイプも魅力的です。

何にしても「筆圧をかけずに書く」という、万年筆本来の書き方がベースになります。

まずは少し細めの軟調ペンで、軟らかいペン先の感覚に慣れるところから始めるのが良いのではないでしょうか。


やっぱり一本差しのケースを

新しく迎えたCustom 743 FAにも、以前こちらで紹介したFREESEの一本差し万年筆ケースを購入しました。

革の品質には多少のばらつきがありますが、1,000円とは思えないクオリティです。裏地には肌触りのよい柔らかなスエードが使われていて、しっかりと万年筆を守ってくれます。作りはシンプルですが、見た目も悪くありません。

ディープグリーン(プロギア)、ブラウン(#3776)、ブルー(Heritage 912)、レッド(Custom67)と使ってきたので、今回はブラックを選びました。


次はエラボー、、、?

PILOTのソフトニブ、そしてフォルカンと試してきたので、「自然な書き味でファンも多い」と言われる ELABO(エラボー)も、次はぜひ使ってみたいところです。

ソフトニブでは中字を選んだので、エラボーを買うなら細字?金属軸より樹脂の方が軽くてよい?

嗚呼、物欲の神が騒いでいます……。

PILOTの価格改定の前にELABOを購入。エラボーの記事は下記をクリックしてください。[2025.09.15追記]

Post Date:2024年9月18日 

初心者の太字万年筆の選び方!カスタム67 Bの実力は?

PILOT CUSTOM 67 <B>

太字の万年筆を使ってみたいけど、普段使いになるのか分からないし、、。そんな風に悩んだことはありませんか?太字は、文字に力強さと個性を与え、手書きの楽しさをさらに深めてくれる存在です。

「中古の万年筆なら気軽に試せるかも!」と思い、カスタム67 Bを中古で購入。

1985年発売のパイロットカスタム67は、同社の67周年記念モデルとして登場した、14金5号の万年筆です。カスタム74の前身モデルとしても知られています。67には太字の字幅もあり、太字を日常的に使う機会は多くないけど、金ペンならではの太字の書き味を味わいたい方にオススメです。

カスタム74よりもシンプルなデザインのカスタム67は、飽きのこない美しさで長く愛用できそうです。定番モデルのため中古市場でも比較的多く流通しており、状態の良いものが安価で入手できるのも魅力です。


Custom 67のペン先(ニブ)

5号サイズのペン先は、10号サイズのCustom Heritage 912のペン先と比べるとコンパクトです。ペン先には、PILOT 14K585 5 Bと刻印されています。

Custom67 Nib 14K 585 5 B
  • 14K:14金
  • 585:金の含有率 58.5%
  • 5:5号サイズのペン先
  • B:字幅 Bold(太字)

横からみるとボールドなので四角い大きなペンポイントが目立ちます。

Custom67 Nib(横から)

こちらは裏側になります。

Custom67 Nib(裏側)

デザイン

カスタム67は細身のボディで、万年筆初心者にも握りやすい太さです。カスタム74と同様に樹脂製のバランス型ですが、経年劣化のせいか、74に比べてややプラスチック感があります。

Custom67

キャップのリングは、カスタム74の太いリングとは対照的に、細いリングが2本です。キャップの縁に「CUSTOM 67 JAPAN」が控えめに刻まれています。

Custom67 キャップ

クリップの丸い玉はカスタム74と同じデザインですが、キャップと軸の両端のリングがより細く、全体として質素な印象を与えます。

Custom67 尻軸


コンバーターも使える

初期型のカスタム67の尻軸には、バランサー(オモリ)が入っているので、コンバーターのCON-70が入らないとありますが、入手したカスタム67は初期モデルではないのでCON-70が装着できました。

パイロット コンバーター CON-70

Custom 67の書き心地

14K 5号サイズのペン先はコンパクトですが、太字のペン先はインクフローが多く、筆圧をかけずに滑らかに書けます。気持ちよく太い文字が書けるペン先です。

しかし、字幅が太ければ柔らかいというわけではないといいうことが実感できました。

ペン先に力を入れると"しなり"はあります。

Custom67 ペン先のしなり

しかし、金ペンや軟調ペンの書き味に慣れてしまっということもありますが、書き味は滑らかですが、決して柔らかくはありません。どちらかといえば、硬く筆圧をかけても書きやすい万年筆に仕上がっています。

カスタム74試筆台で試した<B:太字>と比べてもあまり変わらない気がします、、。


パイロットのペン先はいつから硬化したのか?

100年の歴史 | パイロット100周年記念サイト - PILOT には、1972年に発売された「カスタム」シリーズでは「現代の日本人にあった、日本の文字のための万年筆」と謳われています。

もう少し前に遡っても、硬化の兆しが見られます。1968年に発売された「エリートS」は、Yシャツのポケットに収まるショートサイズの万年筆でしたが、このサラリーマンをターゲットとした万年筆が、携帯性と実用性を兼ね備えたペン先の硬化の始まりだったのではないかと思われます。

「エリートS」は復刻版として「エリート95S」として、現在も発売されています。

1960年代から1970年代にかけての0.5mmのシャープペンシル、そしてボールペンの普及に伴って筆圧をかけて書くことが一般的になってきました。万年筆もまた、硬めのペン先にすることで、耐久性を高め、ボールペンやシャープペンシルに慣れたユーザーにとっても使いやすいように日常の筆記用具として進化してきたのではないでしょうか。

そして、実用的な万年筆が硬化する中で、柔らかい万年筆の書き味を求める声に応えたのが、軟調ペン先なのではないかと思います。


14K 5号の太字は必要か?

いまのところ日常的にはあまり多く太字の出番を考えられません。しかし、太字は、より万年筆らしいアーティスティックな文字を表現できます。手紙や葉書を書いたり、一筆箋などを書く方は太字が重宝するかもしれません。

Bold(太字)は、Fine(細字)やMedium(中字)と比べて利用が限定されますが、手書きの幅を広げられる可能性を秘めているので、14K 5号の太字もあっても損はしないと思います。

中古の万年筆にはあたりハズレがありますし、ニブの形状が異なりしなやかと言われている初期モデルでなければ、カスタム74でも同じです。

また同価格帯のプロギアスリム、#3776センチュリーでもいいかもしれません。

しかし、太字を主力として考えるのであれば、14K 5号のペン先では、書き味に物足りさを感じるようになるかと思います。

サイズが大きいペン先は、筆圧に対して多少の弾力性を感じやすく、滑らかな書き心地が得られることが多いので、パイロットであれば10号や15号サイズ。21Kのプロフィット/プロフェッショナルギアの太字をおススメします。

Post Date:2024年9月1日 

定番の逸品、#3776センチュリーSF(細軟)で味わう軟調ペン先の世界

Platinum #3776 Century SF

プラチナ万年筆の“軟調ペン先”、「Platinum #3776 センチュリー SF(細軟)」を実際に試してみたい――そう思い、#3776センチュリーの全ニブを試せる「#3776 CENTURY 万年筆試筆台 設置店」を探して訪れてみました

#3776センチュリーSF(細軟)は、細字なのに軽く書くだけでスッとインクが流れ、やわらかく、しなやかな書き味に感動し、思わず物欲の神様が降臨。

……とはいえ、ネットの価格の魅力には勝てず、自宅に戻ってポチることに。

個体差の少ない定番モデルだから、ネット購入でも安心。ロジウム仕上げのブラックダイヤモンド 細軟(SF:Soft Fine) を手に入れました。


軟調ペンとは?

軟調ペン先(ソフトニブ)は、通常のペン先よりも薄めに作られ、ペン先の形状や材料の配合にも工夫が施されているため、柔軟で弾力のある書き心地を提供してくれます。

軟調ペン先の大きな魅力は、その柔らかさを活かした書き心地と表現力です。筆圧をかけるとペン先が広がり、太い線が書けますが、軽く書くと細い線となるため、抑揚がある字を書くことができます。

現在の日本メーカーの定番万年筆は、ボールペン等で強い筆圧が一般化した日本人に合わせているので、強い筆圧で書いても安定して書けるように、あまりしならずスリットが広がらないように硬めの硬質ペン先(ハードニブ)となっています。

しかし、これは万年筆の良さを失っていることにもなります。

万年筆で書いた文字には味わい深さがありますが、これは筆圧、ペン先の角度、筆記速度などの違いによって生まれる以下の要素によって生じます。

  1. インクの濃淡
  2. 線の太さ
  3. 線の抑揚(強弱)
  4. 筆致の柔らかさ

これは、 ペン先が柔らかく字幅が広い万年筆で筆圧をかけずに書くことで生まれる味わいです。硬いペン先細い字幅の万年筆は、ボールペンのように書けますが、万年筆の良さを半減させてしまいます。

この万年筆の本来のよさを実感させてくれるのが「軟調ペン先」です。


#3776 センチュリー 細軟の独特な書き味

#3776センチュリーSFは、同じ軟調ペン先のPILOTのカスタムヘリテイジ912 SM(中字軟) と比べると、筆圧を加えたときに大きくペン先がしなる(湾曲する)のがよくわかります。

しかし、細字ということもあってか、ペン先が大きくしなってもスリットがそれほど広がらず、字幅が大きく変化することなく安定して書けます。それでも、筆圧をかけないときと、かけたときの字幅の違いによって、文字に抑揚を表現することができます。

下の写真は、「大」の横棒だけ筆圧をかけた例です。

#3776 Century SF の字幅の違い

SF(細軟)のペン先は大きくしなりますが、他のセンチュリーのペン先と同様にやや硬めで、書くときに「カリカリ」とした感触があります。特に細かい字を書く際には「サクサク」と軽快に紙を滑るような感覚の中にしっかりとしたフィードバックがあり、繊細で正確な書き心地を提供します。SF(細軟)のペン先は、大きくしなる一方で、#3776特有のしっかりとしたタッチを感じさせる書き心地です。

この「しなり」と「カリカリ」としたペンタッチが、#3776 SF(細軟)特有の独特の書き心地を生み出しています。この大きくしなるペン先では、筆圧をかけ続ける書き方では書きづらいので、筆圧をかけない書き方が求められます。

また、細字の軟調ペン先なので、細く小さな字が書けます。手帳やノートなどに小さな字を書くのに適しています。しかし、ペン先がしなる特性上、速く書くのには不向きです。


#3776 センチュリーのデザイン

#3776センチュリーは、プラチナ万年筆が誇るフラッグシップモデルであり、シンプルでありながらもエレガントなシルエットを持ち、無駄のない直線的なラインが特徴です。このデザインは、クラシックな美しさと機能性を兼ね備えており、時代を超えて愛される普遍的な魅力を持っています。

微かに透けて見えるボディは美しい光沢を放ちます。

#3776 Century ブラックダイヤモンド

ブラックインブラックとブラックインダイヤモンドで悩みましたが、ロジウムメッキ仕上げ(シルバー)の方が、落ち着いた色合いなので、ロジウムフィニッシュ ブラックダイヤモンドを選びました。

#3776 センチュリーは、ペン先の横の張り出しが広くとられているためペン先が大きく見えます。万年筆はペン先が大きい方がカッコよく見えるので、カスタムヘリテイジも5号ではなく、10号の912にしましたが、カスタムヘリテイジの10号と比べても見栄えがいいです。

(左)Custom Heritage912 (右)#3776 Century 14K

#3776のスリップシール機構

万年筆は暫く使わないでいると、インクが出なくなったり、最悪、万年筆が使えなくなってしまいます。

#3776のキャップに搭載されたスリップシール機構は、キャップを閉めるときに空気を遮断する構造になっており、インクが長期間使用されない場合でも、常に書き出しがスムーズです。この機能は、プラチナが他社との差別化を図るために開発したもので、日常使いの万年筆としての実用性を高めています。


パイロットとプラチナの軟調ペン先どちらをファースト万年筆に選ぶべきか?

万年筆本来の書き方である筆圧をかけない書き方を学び、万年筆らしい文字を書きたいのであれば、パイロットのカスタムシリーズのSM(中字軟)がベストチョイスです。

Custom Heritage 912 SM は、ペン先のしなりは少ないですが、筆圧によって字幅に大きな差が生じるため、表現力に富んだ書き味が楽しめます。ペン先のタッチは柔らかく書き味は「ぬらっ」とした感じです。

中字より細字がというのであれば、#3776センチュリーの細軟という選択もありかと思いますが、前述した通りセンチュリーの細軟は独特の書き味です。万年筆を初めて使う方にはカスタムシリーズが無難な選択肢ですが、筆圧をかけない繊細な書き方を楽しみたい方には、#3776センチュリーSF(細軟)が最適です。

#3776 センチュリー SFを書きやすいと感じるためには、筆圧をかけない書き方が必要です。

再掲となりますが、下記は、生成AIに正しい持ち方を指示して絵を描いてもらいました。

万年筆の正しい持ち方
Created by Dall-E 3

万年筆の持ち方については、象と散歩: 万年筆デビューを成功させる!初心者が選ぶべき1本とはを参照してください。


柔らかいペン先を求めて

柔らかいペン先を求めて日本の三大万年筆メーカーであるパイロットとプラチナの14K軟調ペン先、そしてセーラーの21Kの定番万年筆のコンプリートです。

#3776 CENTURY, Custom Heritage912, Professional Gear

さて、次に物欲の神様が降臨するのは、どの万年筆を手にしたときなのでしょうか、、。軟ペン繋がりで、エラボー、フォルカン、長刀研ぎ、それともB(太字)、若しくは外国ブランド?

いやいや、初心に戻って大人な字の習得が先か、、、、。

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